アニエス・ヴァルダ

ベルギー出身でフランスの映画監督 (1928-2019)

アニエス・ヴァルダAgnès Varda, 1928年5月30日 - 2019年3月29日)は、ベルギーブリュッセル出身の映画監督である。「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれることもある[1]

アニエス・ヴァルダ
Agnès Varda
Agnès Varda
2019年2月
本名Arlette Varda (出生名)
生年月日 (1928-05-30) 1928年5月30日
没年月日 (2019-03-29) 2019年3月29日(90歳没)
出生地ベルギーの旗 ベルギー ブリュッセル
国籍フランスの旗 フランス
職業映画監督
活動期間1955年 -
配偶者ジャック・ドゥミ
著名な家族マチュー・ドゥミ(息子)
ロザリー・ドゥミ(娘)
主な作品
監督・脚本
5時から7時までのクレオ
幸福
顔たち、ところどころ
脚本
ラストタンゴ・イン・パリ
 
受賞
アカデミー賞
名誉賞
2017年
カンヌ国際映画祭
ルイユ・ドール
2017年顔たち、ところどころ
パルム・ドール・ドヌール
2015年
ヴェネツィア国際映画祭
金獅子賞
1985年『冬の旅
国際映画批評家連盟賞
1985年『冬の旅』
国際カトリック映画事務局賞
1985年『冬の旅』
監督・ばんざい!賞
2008年アニエスの浜辺
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(審査員特別賞)
1965年幸福
功労賞
2019年
ヨーロッパ映画賞
ドキュメンタリー賞
2000年『落穂拾い
生涯貢献賞
2014年
全米映画批評家協会賞
ノンフィクション作品賞
2001年『落穂拾い』
2009年『アニエスの浜辺』
2017年『顔たち、ところどころ』
ニューヨーク映画批評家協会賞
ノンフィクション映画賞
2001年『落穂拾い』
2017年『顔たち、ところどころ』
ロサンゼルス映画批評家協会賞
外国語映画賞
1986年『冬の旅』
ドキュメンタリー映画賞
2000年『落穂拾い』
2008年『アニエスの浜辺』
セザール賞
ドキュメンタリー映画賞
2009年『アニエスの浜辺』
短編ドキュメンタリー映画賞
1983年『Ulysse
名誉賞
2001年
その他の賞
ロカルノ国際映画祭
名誉金豹賞

2014年
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来歴・人物

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左からカトリーヌ・ドヌーヴジャック・ドゥミ、ヴァルダ(1966年)
カルティエ現代美術財団美術館の庭にあるアニエス・ヴァルダの飼い猫「木の上のニニ」の像、隣はインスタレーション作品「猫の家」

ベルギー生まれ。父親はギリシャ人、母親はフランス人。第二次世界大戦を逃れてフランスに渡る。映画監督になる前は写真家として活躍していた。

1965年の『幸福』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞している。1985年の『冬の旅』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞している。

映画監督のジャック・ドゥミと1962年に結婚し、彼が死去するまでともに「カイエ派」に対して「左岸派」と呼ばれた[2]。息子のマチュー・ドゥミは俳優、娘のロザリーは映画衣装デザイナーになった[3]

2017年にはドノスティア賞を受賞した。2017年の第90回アカデミー賞で、長年の功績を称え名誉賞が授与された。

2019年3月29日、乳癌のため死去[4][5]。(フランス現地時間)

主な監督作品

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幸福』(1965年)

受賞歴

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部門作品結果
フランス映画批評家協会賞1962年作品賞5時から7時までのクレオ受賞
1985年作品賞冬の旅受賞
2000年作品賞『落穂拾い』受賞
2008年作品賞アニエスの浜辺受賞
ルイ・デリュック賞1964年-幸福受賞
ベルリン国際映画祭1965年審査員グランプリ『幸福』受賞
インターフィルム賞受賞
2019年ベルリナーレ・カメラ-受賞
セザール賞1977年短編ドキュメンタリー映画賞Réponses de femmesノミネート
1983年短編ドキュメンタリー映画賞Ulysse受賞
1986年作品賞『冬の旅』ノミネート
監督賞ノミネート
2001年名誉賞-受賞
2009年ドキュメンタリー映画賞『アニエスの浜辺』受賞
2018年ドキュメンタリー映画賞顔たち、ところどころノミネート
ヴェネツィア国際映画祭1985年金獅子賞『冬の旅』受賞
国際映画批評家連盟賞受賞
2008年監督・ばんざい!賞『アニエスの浜辺』受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞1986年外国語映画賞『冬の旅』3位
2001年ノンフィクション映画賞『落穂拾い』受賞
2017年ノンフィクション映画賞『顔たち、ところどころ』受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞1986年外国語映画賞『冬の旅』受賞
2001年ドキュメンタリー映画賞『落穂拾い』受賞
2009年ドキュメンタリー映画賞『アニエスの浜辺』受賞
2017年ドキュメンタリー映画賞『顔たち、ところどころ』受賞
ヨーロッパ映画賞2000年ドキュメンタリー賞『落穂拾い』受賞
2009年ドキュメンタリー賞『アニエスの浜辺』ノミネート
2014年生涯貢献賞-受賞
全米映画批評家協会賞2001年ノンフィクション作品賞『落穂拾い』受賞
2009年ノンフィクション作品賞『アニエスの浜辺』受賞
2017年外国語映画賞『顔たち、ところどころ』2位
ノンフィクション作品賞受賞
ボストン映画批評家協会賞2001年ドキュメンタリー映画賞『落穂拾い』受賞
ニューヨーク映画批評家オンライン賞2001年ドキュメンタリー映画賞『落穂拾い』受賞
ルネ・クレール賞2002年--受賞
全米監督協会賞2009年ドキュメンタリー映画監督賞『アニエスの浜辺』ノミネート
カンヌ国際映画祭2010年金の馬車賞-受賞
2015年パルム・ドール・ドヌール-受賞
2017年ルイユ・ドール『顔たち、ところどころ』受賞
国際フィルム・アーカイヴ連盟2013年FIAF賞-受賞
ロカルノ国際映画祭2014年名誉豹賞-受賞
アカデミー賞2017年長編ドキュメンタリー映画賞『顔たち、ところどころ』ノミネート
名誉賞-受賞
サン・セバスティアン国際映画祭2017年ドノスティア賞-受賞
トロント国際映画祭2017年観客賞 (ドキュメンタリー部門)『顔たち、ところどころ』受賞
バンクーバー国際映画祭2017年観客賞 (ドキュメンタリー部門)『顔たち、ところどころ』受賞
オンライン映画批評家協会賞2017年ドキュメンタリー映画賞『顔たち、ところどころ』受賞
サンフランシスコ映画批評家協会賞2017年ドキュメンタリー映画賞『顔たち、ところどころ』受賞
インディペンデント・スピリット賞2017年ドキュメンタリー映画賞『顔たち、ところどころ』受賞
リュミエール賞2018年ドキュメンタリー映画賞『顔たち、ところどころ』受賞

主な日本語文献

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  • 『アニエス・ヴァルダによるジェラール・フィリップキネマ旬報社、1998年
  • 『アニエス・ヴァルダ 愛と記憶のシネアスト』金子遊・若林良・吉田悠樹彦編、neoneo編集室「ドキュメンタリー叢書」、2021

脚注

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  1. ^ 英語版Wikipedia en:Agnès Varda および独語版Wikipedia de:Agnès Varda 参照。仏語版にはない。
  2. ^ 中条省平『フランス映画史の誘惑』(集英社新書 2003年pp.195-199)。
  3. ^ 金子遊 若林良 吉田悠樹彦編,『アニエス・ヴァルダ 愛と記憶のシネアスト』,neoneo叢書, 2021
  4. ^ 仏監督アニエス・ヴァルダが90歳で死去、“ヌーベルヴァーグの祖母”の異名 映画ナタリー、2019年3月29日
  5. ^ “仏映画監督のアニエス・バルダさん死去、90歳”. 時事ドットコム. (2019年3月29日). https://web.archive.org/web/20190330075226/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032901296&g=int 2019年3月31日閲覧。 

外部リンク

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