ジャパンラグビートップリーグ2015-2016

ジャパンラグビートップリーグ2015-20162015年11月13日から2016年1月24日まで行われた、日本国内最高峰の社会人ラグビーユニオンリーグである。パナソニックワイルドナイツがプレーオフトーナメントを制し、3シーズン連続4度目の優勝を遂げた。(トップリーグ三連覇は2004-2005~2006-2007年シーズンの東芝ブレイブルーパス以来2チーム目)

ジャパンラグビートップリーグ2015-2016
日程2015年11月13日 - 2016年1月24日
優勝パナソニックワイルドナイツ (4回目)
準優勝東芝ブレイブルーパス
降格NTTドコモレッドハリケーンズ
試合数115
最多得点選手五郎丸歩
(83)

 ヤマハ発動機
最多トライ選手安藤泰洋
(6)

 トヨタ自動車
江見翔太
(6)

 サントリー

参加チーム

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ジャパンラグビートップリーグ2015-2016の参加チームは下表の通りである(記載は3位までは前年のプレーオフトーナメント、4位以降は前年2ndステージの成績上位順)。

昨シーズンの結果、宗像サニックスブルーストップキュウシュウ)が地域リーグに降格し、ホンダヒートが地域リーグから昇格した。

チーム名前年成績備考
パナソニックワイルドナイツトップリーグ 優勝
ヤマハ発動機ジュビロトップリーグ 2位
東芝ブレイブルーパストップリーグ 3位
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
サントリーサンゴリアストップリーグ 5位
トヨタ自動車ヴェルブリッツトップリーグ 6位
キヤノンイーグルストップリーグ 7位
NTTコミュニケーションズシャイニングアークストップリーグ 8位
リコーブラックラムズトップリーグ 9位
NECグリーンロケッツトップリーグ 10位
NTTドコモレッドハリケーンズトップリーグ 11位
近鉄ライナーズトップリーグ 12位
クボタスピアーズトップリーグ 13位残留(トップリーグ入替戦勝利)
コカ・コーラレッドスパークストップリーグ 14位残留(トップリーグ入替戦勝利)
豊田自動織機シャトルズトップリーグ 15位残留(トップリーグ入替戦勝利)
ホンダヒートトップウェスト 優勝昇格(トップチャレンジ1 1位)
4シーズンぶりの復帰

リーグレギュレーションの変更

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同年にラグビーワールドカップが開催されるため短縮日程となった。前年度の順位をもとに、参加する16チームを8チームずつの2グループに分けて「1stステージ」として各グループ1回戦総当たりのリーグ戦を行い、昨季までの2ndステージ(1stステージの成績を基に上位・下位4チームずつ8チームで行う総当たりリーグ)を廃止する代わりに、1stステージの成績を基として上位・下位8チームずつの順位決定トーナメント戦が開催される。各グループの1〜4位計8チームによる1〜8位決定トーナメントと、各5〜8位の計8チームによる9〜16位決定トーナメントが実施される。

日程短縮、試合数減少に伴い新たな公式戦として、9月4日〜10月11日の日程でプレシーズンリーグを実施することとなった。16チームを4チームずつ4プールに分けて1回戦総当たりのプール戦をおこない、各プールの順位に応じてトーナメントを戦う。各1位チームはカップトーナメントに進み、2位チームはプレート、3位チームはボウル、4位チームはシールドをかけて争う。

順位決定トーナメントのうち、上位グループのものは昨年のプレーオフトーナメントに引き続き、株式会社LIXILと冠スポンサー契約を結び「LIXIL CUP(リクシルカップ)2016」[1]として開催される。

今季からの新しい試みとして、トーナメント戦での決着方法にサドンデス延長戦キッキングコンペティションが導入される。80分戦って同点の場合、試合終了5分後に10分間のサドンデス延長戦(先にトライ、ペナルティゴール、ドロップゴールなどで得点を挙げたチームの勝利)を実施するが、それでも勝負がつかない場合にキック勝負に持ち込まれる。

今シーズンは自動昇降格を設けず、最終成績13~16位のチームがトップチャレンジ1の1~4位と入替戦を行うこととなった。またラグビー日本選手権大会の出場も、変則スケジュールの都合により全国大学ラグビー選手権大会優勝校との一発勝負で行われるため、リクシルカップ(上位トーナメント)で優勝したチームのみが社会人代表となる。

プレシーズンリーグ

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大会概要

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プールA

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1トヨタ自動車ヴェルブリッツ33009146+45214カップトーナメントへ
2パナソニックワイルドナイツ32019350+43311プレートトーナメントへ
(※のち出場辞退 後述
3NECグリーンロケッツ31025985-2615ボウルトーナメントへ
4ホンダヒート300338100-6200シールドトーナメントへ

プールB

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1サントリーサンゴリアス33007636+40113カップトーナメントへ
2近鉄ライナーズ320111145+66311プレートトーナメントへ
3ヤマハ発動機ジュビロ31026278-1615ボウルトーナメントへ
4コカ・コーラレッドスパークス300329119-9000シールドトーナメントへ

プールC

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1神戸製鋼コベルコスティーラーズ33007128+43012カップトーナメントへ
2NTTドコモレッドハリケーンズ31024044-415プレートトーナメントへ
3NTTコミュニケーションズシャイニングアークス31023946-704ボウルトーナメントへ
4クボタスピアーズ31022961-3204シールドトーナメントへ

プールD

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1東芝ブレイブルーパス33007453+21214カップトーナメントへ
2リコーブラックラムズ32017073-319プレートトーナメントへ
3キヤノンイーグルス30124044-424ボウルトーナメントへ
4豊田自動織機シャトルズ30125569-1424シールドトーナメントへ

順位決定トーナメント

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トーナメント1回戦のアルファベットと数字はそれぞれ、1stステージ(予選プールリーグ戦)の所属プールと、そのプール内における順位(リーグ戦の順位決定戦も同文)である。
(例-A1=プールA1位)

カップトーナメント(1位組)

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1回戦決勝/3位決定戦
1 10月3日 花園
 サントリー(A1)23
3 10月11日 秩父宮
 東芝(C1)21
 サントリー24
2 10月3日 花園
 神戸製鋼27
 トヨタ自動車(B1)14
 神戸製鋼(D1)304 10月11日 秩父宮
 東芝13
 トヨタ自動車20

プレートトーナメント(2位組)

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1回戦決勝/3位決定戦
5 10月3日 秩父宮
 パナソニック(A2)[※ 1]
7 10月10日 花園
 NTTドコモ(C2)
 NTTドコモ26
6 10月3日 秩父宮
 リコー17
 近鉄(B2)22
 リコー(D2)328 10月10日 花園
 パナソニック
 近鉄
  1. ^ パナソニックについては、主力選手が各国代表としてラグビーワールドカップ2015に出場しており、またプレシーズンリーグの期間中に選手が多数怪我した影響で、特にプロップにおいて試合に必要な人数を確保できず、チーム編成ができなかったため不戦敗(★)とし、当初1回戦で対戦する予定だったNTTドコモと、3位決定戦で対戦する予定だった近鉄対リコー戦で敗れたチームはそれぞれ不戦勝(☆)の扱いとし、パナソニックはこの組の4位(通算8位)、また1回戦の近鉄対リコー戦の敗者を同3位(通算7位)とみなす扱いにした。このため3位決定戦で対戦する予定となっていたチームについては、トップキュウシュウ宗像サニックスブルースとの練習試合(エキシビジョンマッチ)に変更して試合を行う[2]

ボウルトーナメント(3位組)

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1回戦決勝/3位決定戦
9 10月3日 熊谷
 ヤマハ発動機(A3)24
11 10月10日 秩父宮
 キヤノン(C3)27
 キヤノン25
10 10月3日 熊谷
 NTTコミュニケーションズ48
 NEC(B3)20
 NTTコミュニケーションズ(D3)2812 10月10日 秩父宮
 ヤマハ発動機26
 NEC18

シールドトーナメント(4位組)

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1回戦決勝/3位決定戦
13 10月3日 駒沢陸
 コカ・コーラ(A4)24
15 10月10日 熊谷
 豊田自動織機(C4)35
 豊田自動織機21
14 10月3日 駒沢陸
 クボタ17
 ホンダ(B4)10
 クボタ(D4)4016 10月10日 熊谷
 コカ・コーラ24
 ホンダ21

リーグ戦

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プールA

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1パナソニックワイルドナイツ7610290137+1535311〜8位決定トーナメントへ
2東芝ブレイブルーパス7511253100+153426
3近鉄ライナーズ7502189193-4323
4NTTコミュニケーションズシャイニングアークス7403190142+48622
5サントリーサンゴリアス7403227148+795219〜16位決定トーナメントへ
6クボタスピアーズ7205118240-122210
7ホンダヒート710699253-15415
8リコーブラックラムズ7007129282-15322

プールB

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1ヤマハ発動機ジュビロ7601226140+865291〜8位決定トーナメントへ
2神戸製鋼コベルコスティーラーズ7502235137+98727
3トヨタ自動車ヴェルブリッツ7502203125+78626
4キヤノンイーグルス7502196142+54525
5豊田自動織機シャトルズ7304175212-371139〜16位決定トーナメントへ
6NTTドコモレッドハリケーンズ7214141197-56212
7NECグリーンロケッツ7115100202-10217
8コカ・コーラレッドスパークス7007143264-12133

順位決定トーナメント

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上位グループ「LIXIL CUP」

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1回戦準決勝決勝/3位決定戦
          
1 1月9日 ニッパツ
 パナソニック(A1)46
5 1月16日 秩父宮
 キヤノン(B4)6
 パナソニック42
2 1月9日 パロ瑞穂球
 神戸製鋼10
 近鉄(A3)10
7 1月24日 秩父宮
 神戸製鋼(B2)42
 パナソニック27
3 1月9日 パロ瑞穂球
 東芝26
 東芝(A2)29
6 1月16日 花園
 トヨタ自動車(B3)17
 東芝34
4 1月9日 金鳥スタ8 1月24日 秩父宮
 ヤマハ発動機22
 NTTコミュニケーションズ(A4)7 神戸製鋼22
 ヤマハ発動機(B1)26 ヤマハ発動機26
5-8位決定予備戦5位決定戦/7位決定戦
9 1月16日 秩父宮
 キヤノン24
11 1月23日 パロ瑞穂球
 近鉄18
 キヤノン17
10 1月16日 花園
 トヨタ自動車48
 トヨタ自動車32
 NTTコミュニケーションズ2112 1月23日 パロ瑞穂球
 近鉄22
 NTTコミュニケーションズ17

下位グループ

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1回戦9-12位決定予備戦9位決定戦/11位決定戦
          
13 1月9日 秩父宮
 サントリー(A5)52
17 1月16日 三交鈴鹿
 コカ・コーラ(B8)7
 サントリー45
14 1月9日 駒沢陸
 ホンダ14
 ホンダ(A7)23
19 1月23日 花園
 NTTドコモ(B6)20
 サントリー78
15 1月9日 駒沢陸
 豊田自動織機14
 クボタ(A6)30
18 1月16日 レベスタ
 NEC(B7)20
 クボタ19
16 1月9日 秩父宮20 1月23日 花園
 豊田自動織機30
 リコー(A8)17 ホンダ45
 豊田自動織機(B5)27 クボタ38
13-16位決定予備戦13位決定戦/15位決定戦
21 1月16日 三交鈴鹿
 コカ・コーラ39
23 1月23日 駒沢陸
 NTTドコモ21
 コカ・コーラ22
22 1月16日 レベスタ
 リコー27
 NEC5
 リコー3124 1月23日 駒沢陸
 NTTドコモ22
 NEC32

入替制度

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入替枠の変更

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リーグ短縮日程に伴い、今シーズンは自動昇降格なし、トップリーグ13位~16位とトップチャレンジ1・1~4位の入替戦のみとなる。

トップチャレンジ2

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順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1九州電力キューデンヴォルテクストップキュウシュウ22006929+40210トップチャレンジ1へ
2釜石シーウェイブスRFCトップイーストリーグ21016850+1815
3中部電力トップウェスト20022987-5800

以上の結果、1位九州電力キューデンヴォルテクスのトップチャレンジ1への進出(及びトップリーグ入替戦への出場)が決定した。

トップチャレンジ1

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今シーズンのトップチャレンジ1は全チーム入替戦出場が決まっている。

順位チーム試合得点失点得失BP勝点
1宗像サニックスブルース(トップウェスト)330016632+134315トップリーグ16位と入替戦
2三菱重工相模原ダイナボアーズ(トップイーストリーグ)320111586+29210トップリーグ15位と入替戦
3九州電力キューデンヴォルテクス(トップチャレンジ2 1位)310264107-4315トップリーグ14位と入替戦
4大阪府警察(トップウェスト)300322142-12000トップリーグ13位と入替戦

トップリーグ入替戦

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今回はトップリーグからリコーブラックラムズ、コカ・コーラレッドスパークス、NECグリーンロケッツ、NTTドコモレッドハリケーンズの4チーム、トップチャレンジ1から宗像サニックスブルース、三菱重工相模原ダイナボアーズ、九州電力キューデンヴォルテクス、大阪府警察の4チームが入替戦に出場した。

トップチャレンジ1を1位で通過した宗像サニックスは入替戦のホームゲーム権を獲得、そのほかの3試合はトップリーグチームのホームゲームで開催される。

入替戦の結果、リコーブラックラムズコカ・コーラレッドスパークスNECグリーンロケッツのトップリーグ残留、宗像サニックスブルースのトップリーグ昇格が決定した。トップチャレンジチームが入れ替え戦を勝利してトップリーグに昇格するのは2012-2013シーズンの豊田自動織機シャトルズ以来3シーズンぶり2チーム目[3]である。

表彰

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2015-2016シーズンの年間表彰式は、2016年1月25日に実施された。

チーム表彰

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TOP LEAGUE 優勝チーム

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チーム名備考
優勝パナソニックワイルドナイツ(3季連続4回目)
準優勝東芝ブレイブルーパス
第3位ヤマハ発動機ジュビロ

フェアプレーチーム賞

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チーム名備考
豊田自動織機シャトルズ(初受賞)

ベストファンサービス賞

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チーム名備考
サントリーサンゴリアス(12季ぶり2回目)
東芝ブレイブルーパス(2季連続2回目)
パナソニックワイルドナイツ(2季連続2回目)

個人表彰

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トップリーグMVP

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氏名所属チーム備考
堀江翔太パナソニックワイルドナイツ(5季ぶり2回目)

新人賞

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氏名所属チーム
小瀧尚弘東芝ブレイブルーパス

最多トライゲッター

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氏名所属チーム備考
安藤泰洋トヨタ自動車ヴェルブリッツ6トライ(初受賞)
江見翔太サントリーサンゴリアス6トライ(初受賞)

得点王

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氏名所属チーム備考
五郎丸歩ヤマハ発動機ジュビロ83得点(2T/23G/9PG)(3季ぶり3回目)

ベストキッカー

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氏名所属チーム備考
ベリック・バーンズパナソニックワイルドナイツキック成功率90.91%(G:21回中19回成功90.48%、PG:12回中11回成功91.67%)(2季連続2回目)

ベストホイッスル

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氏名備考
麻生彰久(3季連続3回目)

優秀レフリー賞

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氏名備考
麻生彰久(3季連続3回目)
久保修平(2季連続2回目)
戸田京介(2季ぶり2回目)

LIXIL CUP 2016 MVP

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氏名所属チーム備考
ヘイデン・パーカーパナソニックワイルドナイツ(初受賞)

ベストフィフティーン

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ポジション氏名所属チーム備考
PR1稲垣啓太パナソニックワイルドナイツ(3季連続3回目)
HO堀江翔太パナソニックワイルドナイツ(3季連続6回目)
PR3浅原拓真東芝ブレイブルーパス(初受賞)
LOアンドリース・ベッカー神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2季連続2回目)
LOヒーナンダニエルパナソニックワイルドナイツ(2季ぶり5回目)
FLリーチマイケル東芝ブレイブルーパス(2季連続4回目)
FL金正奎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(初受賞)
NO8アマナキ・レレィ・マフィNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(初受賞)
SH田中史朗パナソニックワイルドナイツ(2季連続5回目)
SOベリック・バーンズパナソニックワイルドナイツ(3季連続3回目)
WTB江見翔太サントリーサンゴリアス(初受賞)
WTB北川智規パナソニックワイルドナイツ(2季ぶり7回目)
CTBリチャード・カフイ東芝ブレイブルーパス(初受賞)
CTBJP・ピーターセンパナソニックワイルドナイツ(初受賞)
FB五郎丸歩ヤマハ発動機ジュビロ(5季連続5回目)

テーマソング

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  • 桜舞う男たち(き乃はち・入場曲)[4]
  • 戦 -IKUSA-(き乃はち・公式入場曲)[5]

出典

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  1. ^ ジャパンラグビー トップリーグ2015-2016、順位決定トーナメント(1〜8位)は「LIXIL CUP 2016」に(2015年8月6日 10月1日閲覧)
  2. ^ プレシーズンリーグ2015、パナソニック ワイルドナイツ出場辞退のお知らせ(2015年9月28日 10月1日閲覧)
  3. ^ 前回、豊田自動織機に敗れて地域リーグに降格したのは、今回入れ替え戦で勝利した宗像サニックス(当時の福岡サニックス)である。
  4. ^ 桜舞う男たち き乃はち . Tunecore. 2021年10月17日閲覧。
  5. ^ 戦 -IKUSA- き乃はち . Tunecore. 2021年10月17日閲覧。