スウォッチ・インターネットタイム

スウォッチ・インターネットタイム (Swatch Internet Time) は、十進化された(十進化時間)、世界共通の時刻系(一種の世界時)である。マサチューセッツ工科大学メディアラボの創設者であるニコラス・ネグロポンテが協力し、時計会社スウォッチが規定した。

@696.27
上記は現在のBeatである。
日本標準時00時42分39秒に相当。
※時間が遅れればキャッシュを破棄
24時間が1000Beatに区切られる。

概要

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従来の十二進法六十進法が混在した時刻系ではなく、完全な十進法の時刻系(十進化時間)である。1日を000から999までの1000のbeat (Swatch Beat) と称する単位に区切る。1日は86,400で、1beatは86.4秒(126.4秒)に相当する[1]。補助単位として100分の1のセンチビート (centibeats) があり、1センチビート=0.864秒である。@248.00のように小数点と小数点以下の数字で表記し、プレフィックスとして@を付して「@500.beats」と表記する。

以前は表記法から @beat(アットビート)と称されたが、近年は .beat(ドットビート)と称される。

世界時としての基準点(基準子午線)は、協定世界時 (UTC) やグリニッジ標準時 (GMT) と異なりスウォッチ本社が所在するスイスビール(ビエンヌ)(を通る子午線)で、ビール標準時 (Biel Mean Time, BMT) と称する。実際にはUTC+1中央ヨーロッパ時間 (CET) をBMTと扱う。ビールにおける午前0時が@000.beats、午後0時すなわち正午が@500.beatsである。

インターネットを介して疎通する場合などに、タイムゾーン標準時などを意識せず時刻指定が可能となるなどの利点がある。他の世界時同様に世界のどこでも同じ時刻を参照できる。

使用例

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スウォッチが販売するデジタル腕時計にインターネットタイムの表示機能が搭載されている。プログラミング言語PHPでは、時刻のフォーマット文字列にBを指定することでビール標準時へ変換が可能である[2]。オンラインゲームファンタシースターオンラインでゲーム内における時間の表示に使用され、現在時刻に応じて一部の武器の性能が変化する仕様が存在した。

日本標準時とスウォッチ・インターネットタイム

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日本標準時 (JST) はビール標準時より8時間進んでおり、日本国内のビート表記は午前8時に@000Beatとなり日付が変わる。午前8時までは前日の扱いになる。午前0時は前日の@666.67Beatであり、正午が@166.67Beatである。

換算する時刻を24時間表記でh時m分s秒とすると、換算式は

h < 8 の場合(Beat < 0 となる場合)、繰り下げて前日の扱いとする。 h = 6 ならば「h - 8 = 24 - 2 - 1日 = 前日の22時」と考える。もしくは負の値のBeatに対しては機械的に1000を加える。
日本標準時とBeatとの換算
午前:00:30午後:00:30
00@666.67@687.5012@166.67@187.50
01@708.33@729.1713@208.33@229.17
02@750.00@770.8314@250.00@270.83
03@791.67@812.5015@291.67@312.50
04@833.33@854.1716@333.33@354.17
05@875.00@895.8317@375.00@395.83
06@916.67@937.5018@416.67@437.50
07@958.33@979.1719@458.33@479.17
08@000.00@020.8320@500.00@520.83
09@041.67@062.5021@541.67@562.50
10@083.33@104.1722@583.33@604.17
11@125.00@145.8323@625.00@645.83

外部リンク

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脚注・出典

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