スーパーホーネット

スーパーホーネット (Super Hornet) は、日本競走馬である。馬名は、アメリカなどで運用されている戦闘攻撃機F/A-18E/Fの愛称である「スーパーホーネット(「ホーネット(F/A-18)」を超越したという意味)」が由来となっている。

スーパーホーネット
2008年5月17日 東京競馬場
欧字表記Super Hornet[1]
香港表記超級黃蜂[2]
品種サラブレッド
性別
毛色鹿毛
生誕2003年3月20日
死没2019年7月以降
抹消日2010年11月25日[3]
ロドリゴデトリアーノ
ユウサンポリッシュ
母の父エルセニョール
生国日本の旗 日本北海道浦河町
生産者ガーベラパークスタッド
馬主森本悳男
→田島政光
→森本悳男
調教師矢作芳人栗東
厩務員久保公二[4]
競走成績
生涯成績31戦10勝
中央競馬:30戦10勝
香港:1戦0勝
獲得賞金5億4300万1800円
中央競馬:5億3538万8000円
香港:761万3800円[5]
WTRR
WTR
M118 / 2007年[6]
M118 / 2008年[7]
M116 / 2009年[8]
M116 / 2010年[9]
勝ち鞍
GIIスワンS2007年
GII京王杯SC2008年
GII毎日王冠2008年
GIIマイラーズC2009年
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経歴

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2005年9月11日札幌競馬場で行われた2歳新馬戦でデビューするが、単勝9番人気で4着だった。続く2歳未勝利戦で勝利し、デビュー2戦目で初勝利を挙げる。

重賞初挑戦となったデイリー杯2歳ステークスでは、単勝4番人気で3着となる。続く自己条件のくるみ賞(500万下)では単勝1番人気の支持に応え2勝目を挙げ、朝日杯フューチュリティステークスに出走し、出走馬中最速となる上がり3ハロン34秒0を記録し、勝ったフサイチリシャールクビ差で2着となった。

2006年3月5日弥生賞から始動し、同レースは単勝3番人気だったが5着だった。そして春のクラシックでは、初戦の皐月賞で10着、2戦目の東京優駿(日本ダービー)で15着と大敗の結果に終わり放牧に出された。

秋は富士ステークスから始動するが、ここでも14着と3戦連続2ケタ着順が続いた。11月4日京都競馬場で行われたカシオペアステークスでは、近走の不振から6番人気だったが、レースを制し約1年ぶりの勝利を挙げた。そしてマイルチャンピオンシップに挑むが、単勝11番人気で9着という結果に終わった。レース後は怪我のため休養することになった。

2007年2月25日阪急杯で復帰したが7着だった。続く大阪城ステークスを制し4勝目を挙げたが、マイラーズカップでは最下位となる15着という結果に終わった。5月6日の都大路ステークスでは、ひさびさに1番人気に支持され、5勝目を挙げたが、安田記念では11着というふたたび大敗の結果に終わり休養に入る。

秋はポートアイランドステークスから始動し、2着となったアンブロワーズに4馬身差をつけ快勝し6勝目を挙げた。これまでの戦跡から「オープン大将」と揶揄されることもあった同馬だが、10月27日スワンステークス重賞初勝利を挙げ、矢作芳人厩舎にとっても重賞初勝利となった。

次に出走したのは2007年11月18日に行われた第24回マイルチャンピオンシップ。レースでは馬群中段に位置取り、直線で鋭い末脚を繰り出すものの、ダイワメジャーにクビ差敗れ2着だった。次走は阪神カップに出走登録を行っていたが、熱発のため同レースを回避し、放牧に出されることになった。

2008年1月22日に締め切られたアジアマイルチャレンジのシリーズ登録を行った。そして3月7日に帰厩し、初の1200メートル戦となる3月30日高松宮記念に出走することになったが、差し届かず5着だった。

レース後の4月3日には千葉県の千代田牧場に短期放牧に出された。短期放牧明けのあと、5月17日京王杯スプリングカップに出走し、勝利を収めた。レース後は栗東に戻らず美浦トレーニングセンターで調整され、安田記念に出走したが、直線で脚が止まり8着に敗れた。安田記念後は美浦から直接シュウジディファームへ移動し、夏は休養することになった。

2008年10月12日、第59回毎日王冠に出走、レースでは逃げを打ったウオッカを最終直線の最後の2ハロンで捉え、頭差差し切って勝利した。続く第25回マイルチャンピオンシップでは大外から猛追するもブルーメンブラットを捕らえ切れず2着に敗れた。その後香港へ遠征し、12月14日の香港マイルに出走したが、5着に終わった。

2009年、この年から代表馬主が田島政光に変更となった。前年末の香港遠征から4か月の休養を挟み、春マイル路線へ向けての緒戦として4月18日のマイラーズカップに出走。1番人気に支持されたレースでは、最後の直線コースに入り残り2ハロンで先頭に立つと、前年優勝のカンパニーの猛追をわずかに抑えて優勝した。そして本番の6月7日第59回安田記念では、ウオッカディープスカイの両ダービー馬に次ぐ3番人気で出走。レースは道中中団やや後方でディープスカイとともに馬群を形成。直線では伸びる気配はあったものの今一歩本来の伸びを欠いてウオッカの7着に敗れた。その後、脚部不安となり秋シーズンは1走もできなかった。

明け7歳となった2010年は初のダート戦となる第27回フェブラリーステークスに出走。道中は中団でレースを進めたが直線で失速し最下位の15着と大敗した。その後、連覇がかかった第41回マイラーズカップに2番人気で出走、中団から徐々に進出を図るも伸び切れず9着に敗れた。第60回安田記念では、後方グループ追走で直線では大外から追い込むがショウワモダンに半馬身届かず自身4度目のGI2着に終わる。

秋はステップレースを使わず第142回天皇賞(秋)に出走するも見せ場なく11着と惨敗した。その後はマイルチャンピオンシップを目指す予定だったが、11月7日右前浅屈腱炎のため引退すると発表された[10]

引退後

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引退後はアロースタッドで種牡馬入りした。

2014年7月10日、門別競馬第2競走2歳未勝利で、ユーアレディが産駒の初勝利をあげた。代表産駒はシンザン記念ファルコンステークス3着のシゲルノコギリザメ。

2016年9月30日、中標津町の中標津大西雅信牧場へ移動した[11]

2019年7月、用途変更となり種牡馬を引退した[12]。重賞競走を勝っているにもかかわらず功労馬繋養展示事業の対象馬になっておらず[13]、大西雅信牧場を出されてからの消息は不明となっている。2022年、直仔のハイパーホーネットが種牡馬登録されたため、父系のサイアーラインは繋がれている。

競走成績

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年月日競馬場競走名


オッズ
(人気)
着順騎手斤量
[kg]
距離(馬場)タイム
(上り3F
時計
勝ち馬/(2着馬)
20059.11札幌2歳新馬11810042.90(9人)04着岩崎祐己54芝1800m(良)1:55.4 (34.7)-0.3アキノレッドスター
9.24札幌2歳未勝利1433008.40(4人)01着四位洋文54芝1500m(良)1:31.3 (35.9)-0.0(ディープウイング)
10.15京都デイリー杯2歳SGII1155012.60(4人)03着四位洋文55芝1600m(稍)1:37.5 (34.4)-0.3マルカシェンク
10.30東京くるみ賞500万下944002.50(1人)01着四位洋文55芝1400m(良)1:23.0 (33.6)-0.1(アポロノサトリ)
12.11中山朝日杯FSGI1435025.10(5人)02着内田博幸55芝1600m(良)1:33.7 (34.0)-0.0フサイチリシャール
20063.5中山弥生賞GII1044009.70(3人)05着四位洋文56芝2000m(良)2:02.1 (35.6)-0.6アドマイヤムーン
4.16中山皐月賞GI18714033.50(9人)10着四位洋文57芝2000m(良)2:01.2 (35.1)-1.3メイショウサムソン
5.28東京東京優駿GI1811170.7(18人)15着川田将雅57芝2400m(稍)2:30.6 (37.4)-2.7メイショウサムソン
10.21東京富士SGIII1824037.90(9人)14着吉田豊54芝1600m(良)1:34.6 (35.1)-1.8(キネティクス)
11.4京都カシオペアSOP13813015.40(6人)01着安部幸夫53芝1800m(良)1:46.8 (33.0)-0.2(ホッコーソレソレー)
11.19京都マイルCSGI1812037.8(11人)09着幸英明56芝1600m(良)1:33.6 (35.5)-0.9ダイワメジャー
20072.25阪神阪急杯GIII16612021.40(8人)07着安部幸夫56芝1400m(良)1:21.0 (35.2)-0.5プリサイスマシーン
エイシンドーバー
3.10阪神大阪城SOP1211006.90(4人)01着藤岡佑介54芝1800m(良)1:47.2 (34.2)-0.0(ホッコーソレソレー)
4.14阪神マイラーズCGII15712026.3(10人)15着藤岡佑介57芝1600m(良)1:34.6 (34.1)-2.4コンゴウリキシオー
5.6京都都大路SOP15611003.20(1人)01着藤岡佑介55芝1600m(重)1:36.4 (36.6)-0.2(マイネルハーティー)
6.3東京安田記念GI18715062.0(18人)11着藤岡佑介58芝1600m(良)1:33.1 (34.3)-0.8ダイワメジャー
9.30阪神ポートアイランドSOP1836005.70(2人)01着藤岡佑介56芝1600m(稍)1:33.3 (33.8)-0.7(アンブロワーズ)
10.27京都スワンSGII18612005.80(3人)01着藤岡佑介57芝1400m(稍)1:20.7 (33.9)-0.0(フサイチリシャール)
11.18京都マイルCSGI1847007.30(4人)02着藤岡佑介57芝1600m(良)1:32.7 (34.1)-0.0ダイワメジャー
20083.30中京高松宮記念GI1847006.90(3人)05着藤岡佑介57芝1200m(良)1:07.4 (33.2)-0.3ファイングレイン
5.17東京京王杯SCGII17612005.90(2人)01着藤岡佑介58芝1400m(良)1:20.8 (33.0)-0.3キストゥヘヴン
6.8東京安田記念GI18611004.10(1人)08着藤岡佑介58芝1600m(良)1:33.7 (34.5)-1.0ウオッカ
10.12東京毎日王冠GII1612010.70(2人)01着藤岡佑介58芝1800m(良)1:44.6 (33.3)-0.0(ウオッカ)
11.23京都マイルCSGI18817002.30(1人)02着藤岡佑介57芝1600m(良)1:32.7 (33.9)-0.1ブルーメンブラット
12.14沙田香港マイルG1142(4人)05着藤岡佑介57芝1600m(良)1:33.3-0.59Good Ba Ba
20094.18阪神マイラーズCGII1033002.40(1人)01着藤岡佑介58芝1600m(良)1:33.9 (33.0)-0.0カンパニー
6.7東京安田記念GI18713006.80(3人)07着藤岡佑介58芝1600m(良)1:34.2 (36.0)-0.3ウオッカ
20102.21東京フェブラリーSGI1535053.60(9人)15着藤岡佑介57ダ1600m(良)1:41.9 (41.9)-7.0エスポワールシチー
4.17阪神マイラーズCGII18713004.80(2人)09着藤岡佑介58芝1600m(良)1:33.7 (34.7)-0.8リーチザクラウン
6.6東京安田記念GI1859012.10(6人)02着藤岡佑介58芝1600m(良)1:31.8 (34.2)-0.1ショウワモダン
10.31東京天皇賞(秋)GI18715027.60(8人)11着藤岡佑介58芝2000m(稍)1:59.5 (34.9)-1.3ブエナビスタ

血統表

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スーパーホーネット血統(血統表の出典)[§ 1]
父系ノーザンダンサー系
[§ 2]

*ロドリゴデトリアーノ
Rodrigo de Triano
1989 栗毛
父の父
El Gran Senor
1981 鹿毛
Northern DancerNearctic
Natalma
Sex AppealBuckpasser
Best in Show
父の母
Hot Princess
1980
*ホットスパークHabitat
Garvey Girl
AsparaCrimson Satan
Courtside

ユウサンポリッシュ
1997 鹿毛
*エルセニョール
El Senor
1984 芦毛
ValdezExclusive Native
Sally Stark
Sunrise SueGrey Dawn
Sophistry
母の母
*エルゼビアー
Elzevir
1984 鹿毛
ElocutionistGallant Romeo
Strictly Speaking
Friendly RelationsNearctic
Flaring Top
母系(F-No.)8号族(FN:8-f)[§ 3]
5代内の近親交配Nearctic4×4=12.50%[§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ スーパーホーネット 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com スーパーホーネット 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ スーパーホーネット 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  4. ^ netkeiba.com スーパーホーネット 5代血統表2017年9月12日閲覧。

母・ユウサンポリッシュは現役時3戦未勝利。俳優柳葉敏郎の所有馬だった。

脚注

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  1. ^ SUPER HORNET (K602) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
  2. ^ 超級黃蜂 (K602) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
  3. ^ スーパーホーネットが引退、種牡馬へ”. ラジオNIKKEI. 2022年4月29日閲覧。
  4. ^ 『優駿』2011年4月号、31頁。 
  5. ^ “スーパーホーネットがアロースタッドに到着”. netkeiba.com. (2010年12月1日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=51933 2023年5月5日閲覧。 
  6. ^ The 2007 World Thoroughbred Racehorse Rankings”. IFHA. 2023年5月5日閲覧。
  7. ^ The 2008 World Thoroughbred Rankings”. IFHA. 2023年5月5日閲覧。
  8. ^ The 2009 World Thoroughbred Rankings”. IFHA. 2023年5月5日閲覧。
  9. ^ The 2010 World Thoroughbred Rankings”. IFHA. 2023年5月5日閲覧。
  10. ^ スーパーホーネット念願かなわず引退 Archived 2010年11月13日, at the Wayback Machine. サンケイスポーツ 2010年11月7日閲覧
  11. ^ スーパーホーネットが移動競走馬のふるさと案内所、2016年10月5日閲覧
  12. ^ 2019年の供用停止種雄馬”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル公式ウェブサイト. 軽種馬登録ニュース (2020年3月3日). 2020年4月11日閲覧。
  13. ^ サ行での検索結果”. 引退名馬. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2020年4月11日閲覧。

外部リンク

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