トーヨーシアトル

トーヨーシアトル(欧字名:Toyo Seattle1993年4月4日 - 不明)は、アメリカ合衆国で生産された日本競走馬種牡馬[1]主戦騎手松永昌博

トーヨーシアトル
欧字表記Toyo Seattle[1]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色栃栗毛[1]
生誕1993年4月4日
死没不明(2008年6月用途変更)
抹消日2001年3月2日(NAR)[2]
Deputy Minister[1]
City Dance[1]
母の父Seattle Slew[1]
生国アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
生産者Wooden Horse Investment, Inc. & Joseph Allen[1]
馬主(有)トーヨークラブ
→藤田利勝
[1]
調教師松永善晴栗東
→田中満(上山
[1]
厩務員和田守(JRA)[3]
競走成績
タイトルダートグレード競走最優秀馬(1997年)[1]
生涯成績29戦7勝
うち地方競馬9戦2勝
[1]
獲得賞金2億9337万3000円[1]
勝ち鞍
GI東京大賞典1997年
GII東海菊花賞1997年
GIIIウインターS1996年
GIII平安S1997年
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1997年東京大賞典GI)優勝馬である。その他の勝ち鞍に、1996年ウィンターステークスGIII)、1997年の東海菊花賞GII)、平安ステークスGIII)。

来歴

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3歳秋に京都競馬場・芝コースで行なわれた新馬戦に勝利するが、それ以降は苦戦が続き、4歳冬までの戦績は芝コースばかりで12戦2勝と芳しいものではなかった。

そこで陣営はダート戦に照準を切り替え、12月に中京競馬場で行なわれた「矢作川特別(900万下特別戦)」に出走。すると2着のセタノキングに3馬身1/2の差を付ける圧勝。勢いに乗って中5日の連闘、格上挑戦で臨んだウインターステークスではデュークグランプリに3馬身差を付け優勝[4]。ダートコースでの適性を確信した陣営はこれ以降、全てのレースをダート戦とした。

4歳になったシアトルは平安ステークスに挑み、シンコウウインディと同着ながら1着となり3連勝(重賞での同着1着は1988年阪神大賞典以来)とする。そしてGIIからの格上げで「JRA初のダートGI」として施行されたフェブラリーステークスは不良馬場でのレースとなってしまい11着と大敗する。以降はこの年から始まったダートグレード競走への出走が続くが勝ちきれないレースが続いた。トンネルを抜けたのは11月、名古屋競馬場での東海菊花賞(統一GII)であった。このレースでは既に東京大賞典などに勝っているキョウトシチーに3馬身差で勝利。続く東海ウインターステークス(前年のウインターステークスから改称)ではアブクマポーロに2連覇を阻まれるが僅差の2着となる。

そして大目標であった年末の東京大賞典(大井競馬場、統一GI)ではアブクマポーロ・キョウトシチーらを直線でちぎり見事優勝。鞍上の松永は騎手生活21年目で初のGI制覇となった。これをきっかけにシアトルは1997年度ダートグレード競走最優秀馬を受賞した。なお東京大賞典はこの年まで2800メートルで行なわれていたが、翌年から2000メートルに短縮されることとなる。

5歳時は6戦するが川崎記念オグリキャップ記念でそれぞれ3着に入ったのが最高だった。その後、上山に移籍するが一度も出走せず2001年に引退した。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[5]およびJBISサーチ[6]地方競馬全国協会[2]に基づく。

年月日競馬場競走名距離(馬場)


オッズ(人気)着順タイム
(上り3F)
着差騎手斤量(kg)勝ち馬/(2着馬)
1995.10.07京都3歳新馬芝1600m(良)96604.2(2人)1着1:36.3 (35.9)-0.1松永昌博53(スプリングエイト)
0000.10.21京都デイリー杯3歳SGII芝1400m(良)136807.5(3人)10着1:23.3 (36.9)-1.1松永昌博53ロゼカラー
0000.11.12京都京都3歳SOP芝1800m(良)133312.2(5人)8着1:49.1 (36.0)-0.4松永昌博54ロングシコウテイ
1996.03.03阪神ゆきやなぎ賞500芝2000m(良)142215.8(6人)12着2:04.4 (36.0)-1.8松永昌博55ドングリ
0000.03.16阪神さわらび賞500芝1600m(良)161143.7(10人)6着1:35.6 (35.1)-1.3松永昌博55ファビラスラフイン
0000.03.30阪神アザレア賞500芝2000m(不)162310.7(5人)1着2:04.6 (37.9)-0.2松永昌博55(マルカダンガン)
0000.04.20東京ニュージーランドT4歳SGII芝1400m(重)171197.8(14人)12着1:24.1 (36.6)-1.7松永昌博56ファビラスラフイン
0000.05.19中京白藤S900芝2000m(良)111112.0(6人)7着2:01.4 (36.0)-0.6松永昌博55フサイチシンイチ
0000.06.16阪神白丁花S900芝1600m(良)115519.7(8人)8着1:34.7 (36.1)-1.0松永昌博55ミナミノテスコ
0000.07.07阪神やまゆりS900芝2000m(良)1651023.4(11人)11着2:02.5 (35.5)-0.9松永昌博52マークリマニッシュ
0000.11.10京都醍醐特別900芝1800m(良)1581520.0(6人)8着1:47.7 (36.0)-1.7松永昌博55ゲイリーイーグル
0000.11.24京都4歳上900万下芝1600m(良)88813.5(5人)2着1:36.2 (34.8)-0.4松永昌博55マヤノデンプシー
0000.12.08中京矢作川特別900ダ1700m(良)1661213.4(7人)1着1:45.1 (39.0)-0.6松永昌博55セタノキング
0000.12.14中京ウインターSGIIIダ2300m(良)163510.6(6人)1着2:24.9 (37.9)-0.5松永昌博53デュークグランプリ
1997.01.06京都平安SGIIIダ1800m(稍)1681503.7(2人)1着1:49.9 (36.7)同着松永昌博56シンコウウインディ
0000.02.16東京フェブラリーSGIダ1600m(良)1661206.5(3人)11着1:38.9 (38.3)-2.9松永昌博56シンコウウインディ
0000.03.05船橋ダイオライト記念南関G1ダ2400m(良)91100.0(2人)4着2:36.4(00.0)-1.4松永昌博56デュークグランプリ
0000.05.28船橋かしわ記念GIIIダ1600m(良)117900.0(6人)4着1:39.5(00.0)-1.6松永昌博55バトルライン
0000.06.08中京東海SOPダ1700m(良)1681506.6(3人)7着1:45.8 (38.6)-1.0松永昌博57.5エムアイブラン
0000.10.11京都オパールSOPダ1800m(良)98905.2(3人)3着1:50.2 (37.4)-0.4松永昌博57オースミレパード
0000.11.03名古屋東海菊花賞GIIダ2500m(良)114400.0(2人)1着2:43.1(00.0)-0.6松永昌博57キョウトシチー
0000.11.30中京東海ウインターSGIIダ2300m(重)161203.4(2人)2着2:24.8 (37.7)-0.0松永昌博57アブクマポーロ
0000.12.28大井東京大賞典GIダ2800m(良)1381200.0(2人)1着3:00.4 (37.8)-0.6松永昌博56(キョウトシチー)
1998.01.28川崎川崎記念GIダ2000m(良)95500.0(2人)3着2:08.9(00.0)-1.3松永昌博56アブクマポーロ
0000.04.29笠松オグリキャップ記念GIIダ2500m(良)108900.0(1人)3着2:45.6(00.0)-1.6松永昌博58サンディチェリー
0000.06.24大井帝王賞GIダ2000m(稍)1381200.0(3人)5着2:04.5 (36.9)-1.1松永昌博57アブクマポーロ
0000.10.10盛岡南部杯GIダ1600m(不)122200.0(7人)7着1:37.0(00.0)-1.9松永昌博56メイセイオペラ
0000.11.03名古屋東海菊花賞GIIダ2500m(稍)126800.0(2人)4着2:43.9(00.0)-0.4松永昌博58デュークグランプリ
0000.12.06中京東海ウインターSGIIダ2300m(重)94405.0(3人)8着2:27.3 (38.9)-1.7藤田伸二58マチカネワラウカド

引退後

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引退後にレックススタッド種牡馬となり[7]2005年から熊本県上益城郡山都町の山口隆介牧場に移り種牡馬生活を続けたが[8]2008年用途変更となった。以後の消息は競走馬のふるさと案内所にも記載がなく、引退名馬として余生を過ごした形跡もない。

主な産駒

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血統表

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トーヨーシアトル血統(血統表の出典)[§ 1]
父系デピュティミニスター系(ヴァイスリージェント系
[§ 2]

Deputy Minister
1979 黒鹿毛
父の父
Vice Regent
1967 栗
Northern DancerNearctic
Natalma
Victoria ReginaMenetrier
Victoriana
父の母
Mint Copyl
1970 黒鹿
Bunty's FlightBunty Lawless
Broomflight
ShakneyJabneh
Grass Shack

City Dance
1989 黒鹿毛
Seattle Slew
1974 黒鹿
Bold ReasoningBoldnesian
Reason to Earn
My CharmerPoker
Fair Charmer
母の母
Weber City Miss
1977 黒鹿
Berkley PrinceRash Prince
Betrayed
EsirnusSunrise Flight
Water Lady
母系(F-No.)(FN:20)[§ 3]
5代内の近親交配5代内アウトブリード[§ 4]
出典
  1. ^ [10]
  2. ^ [11]
  3. ^ [10]
  4. ^ [10][11]
母の全兄Slew City Slewは、オークローンH、ガルフストリームパークHなどの勝ち馬[4]
祖母Weber City Missは、ベルデイムステークスなどの勝ち馬[4]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o トーヨーシアトル(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月9日閲覧。
  2. ^ a b トーヨーシアトル 出走履歴”. 地方競馬全国協会. 2019年10月9日閲覧。
  3. ^ キングリー和田父 打倒竜二”. 日刊スポーツ. 2022年1月8日閲覧。
  4. ^ a b c 「第13回ウインターS(GIII)」『優駿』第57巻第2号、日本中央競馬会、1997年2月、152 - 153頁。 
  5. ^ トーヨーシアトルの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月8日閲覧。
  6. ^ トーヨーシアトル 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月8日閲覧。
  7. ^ サラ系供用種牡馬一覧”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年11月24日閲覧。
  8. ^ 2005年度サラ系供用種牡馬一覧 - jbis.or.jp、2022年2月5日閲覧。
  9. ^ コスモジェントル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月9日閲覧。
  10. ^ a b c 血統情報:5代血統表|トーヨーシアトル(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年11月24日閲覧。
  11. ^ a b トーヨーシアトルの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月9日閲覧。

外部リンク

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