ヤマカツエース

日本の競走馬

ヤマカツエース(欧字名:Yamakatsu Ace2012年3月22日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍に2015年ニュージーランドトロフィー福島記念2016年中山金杯金鯱賞2017年の金鯱賞。

ヤマカツエース
第154回天皇賞(秋)パドック(2016年10月30日)
欧字表記Yamakatsu Ace[1]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色栗毛[1]
生誕2012年3月22日(12歳)[1]
抹消日2018年9月6日[2]
キングカメハメハ[1]
ヤマカツマリリン[1]
母の父グラスワンダー[1]
生国日本の旗 日本北海道新ひだか町[1]
生産者岡田牧場[1]
馬主山田和夫[1]
調教師池添兼雄栗東[1]
競走成績
生涯成績30戦7勝[1]
獲得賞金4億4465万2000円[1]
勝ち鞍
GIIニュージーランドT2015年
GII金鯱賞2016年・2017年
GIII福島記念2015年
GIII中山金杯2016年
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馬名の由来は、冠名+「第一人者、最高、最高の存在」[3]

競走馬時代

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2歳(2014年)

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6月22日函館芝1200m新馬戦でデビューし、2番人気に支持されるも6着に終わった。次走の未勝利戦で初勝利を挙げ、2勝目を目指してオープン競走へ挑むも勝利することはできなかった[4]

3歳(2015年)

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年明け2戦目の条件戦で2勝目を挙げると[5]アーリントンカップへ駒を進め6着となった[4]。続くファルコンステークスでは馬場に足をとられながらも上がり最速で追い込み3着に入った[6]。次戦のニュージーランドトロフィーでは、道中は中段の外を追走し、直線に入って追い出されると突き抜けて優勝。重賞初勝利およびNHKマイルカップ優先出走権を手にした[7][注釈 1]。NHKマイルカップでは、クラリティスカイの外にポジションを取るも、追い出し時の反応が鈍く13着であった[9]。短期放牧の後、函館記念へ参戦。先行策から粘り込みを図り3着入線となった[10]。続く札幌記念では、直線で外から伸びてくるも4着までだった[11]。その後、富士ステークスに出走。終始内にポジションを取るも、道中スローで前が開かず13着に終わった[12]。距離をマイルから2000mへ戻し挑んだ福島記念では、4コーナー手前から追い出すと同レース連覇を狙ったミトラを直線でかわし、重賞2勝目を達成した。

4歳(2016年)

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年明け初戦に中山金杯を選択。道中はスローながらマイネルフロストが大逃げを打つ展開を5番手につけ3コーナーから進出すると、直線では逃げ粘るマイネルフロストを差し切り、重賞3勝目を連勝で飾った[13]。続く京都記念では、道中手応え良く進めるも馬場に脚をとられ5着に終わった[14]。放牧を挟み鳴尾記念へ出走。デビュー以来初めて1番人気に支持されるも、直線でモタつき6着だった[15]宝塚記念では、稍重の馬場に1,2コーナーで足をとられ直線で伸びず13着に終わった[16]。その後、2年連続で札幌記念に参戦。道中折り合いながら進めるも、稍重馬場が合わず5着だった[17]。秋は天皇賞(秋)から始動。道中好位で運ぶも、瞬発力勝負に泣き15着となった[18]。次走に金鯱賞を選択。道中は中団で折り合って進め、最後の直線で外から脚を伸ばし、クビ差かわして重賞4勝目を挙げた[19]有馬記念では、道中は内枠を生かしてロスなく内を追走すると、直線では馬群を縫いながら上がり最速で追い込み4着に入った[20]

5歳(2017年)

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5歳になった本馬は、2017年から開催時期が3月に変更された(詳しくは金鯱賞#概要を参照)金鯱賞に出走し、1番人気に支持される。レースでは中団を進み、最後の直線で先頭に立つと2着馬ロードヴァンドールに1馬身1/4差つけ勝利。重賞5勝目および大阪杯への優先出走権を手にするとともに、「3か月ぶり連覇」という珍記録を達成した[21]。次走の大阪杯ではキタサンブラックの3着となり、休養に入る。8月の札幌記念ではサクラアンプルールの3着に敗れるも中距離戦では堅実な走りを見せていた。秋シーズンは天皇賞(秋)は11着、ジャパンカップは8着、有馬記念は10着と不本意な結果に終わった。

6歳(2018年)

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シーズン初戦の金鯱賞は4着に終わり、3連覇はならなかった。大阪杯4着のあと、香港シャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップの招待を受けるも、右前脚の骨膜炎により辞退した[22]。その後、復帰を目指していたが、右膝のけいじん帯炎を発症したため、9月6日に引退が決まった[2]。今後は北海道新ひだか町のアロースタッド種牡馬になる[23]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[24]の情報に基づく。

競走日競馬場競走名距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順タイム
(上り3F)
着差騎手斤量1着馬(2着馬)
2014.06.22函館2歳新馬芝1200m(良)14711003.90(2人)06着01:11.2(36.3)-1.7池添謙一54kgマイネルエスパス
0000.07.06函館2歳未勝利芝1200m(良)1022005.50(3人)01着01:10.8(35.6)-0.2藤田伸二54kg(アポロノシンザン)
0000.09.07札幌すずらん賞OP芝1200m(良)15814009.40(5人)02着01:10.8(35.8)-0.0池添謙一54kgペイシャオブロー
0000.09.27阪神ききょうSOP芝1400m(良)11810008.20(3人)06着01:22.0(34.8)-0.4池添謙一54kgナヴィオン
2015.01.17京都白梅賞500万下芝1600m(稍)966018.80(7人)04着01:35.6(34.6)-0.4藤田伸二56kgナリタスターワン
0000.02.01京都3歳500万下芝1400m(良)11811006.40(4人)01着01:22.2(34.6)-0.2池添謙一56kg(キッズライトオン)
0000.02.28阪神アーリントンCGIII芝1600m(良)1256041.0(10人)06着01:36.1(34.3)-0.2池添謙一56kgヤングマンパワー
0000.03.21中京ファルコンSGIII芝1400m(稍)1848008.50(5人)03着01:22.9(35.9)-0.0藤田伸二56kgタガノアザガル
0000.04.11中山NZTGII芝1600m(稍)1648015.30(7人)01着01:34.8(34.9)-0.1池添謙一56kgグランシルク
0000.05.10東京NHKマイルCGI芝1600m(良)18611014.20(7人)13着01:34.5(34.9)-1.0池添謙一57kgクラリティスカイ
0000.07.19函館函館記念GIII芝2000m(良)1611016.50(7人)03着01:59.7(36.6)-0.6池添謙一53kgダービーフィズ
0000.08.23札幌札幌記念GII芝2000m(良)1558035.3(10人)04着01:59.1(35.5)-0.1池添謙一54kgディサイファ
0000.10.24東京富士SGIII芝1600m(良)1648015.60(7人)13着01:33.6(34.1)-0.9池添謙一56kgダノンプラチナ
0000.11.15福島福島記念GIII芝2000m(重)1611005.50(2人)01着02:02.5(37.4)-0.2津村明秀54kgミトラ
2016.01.05中山中山金杯GIII芝2000m(良)1345004.90(3人)01着02:01.2(33.0)-0.1池添謙一56kgマイネルフロスト
0000.02.14京都京都記念GII芝2200m(重)1511004.90(2人)05着02:18.3(36.9)-0.6池添謙一56kgサトノクラウン
0000.06.04阪神鳴尾記念GIII芝2000m(良)14610002.80(1人)06着01:58.0(35.2)-0.4池添謙一56kgサトノノブレス
0000.06.26阪神宝塚記念GI芝2200m(稍)17817104.3(15人)13着02:14.4(37.6)-1.6池添謙一58kgマリアライト
0000.08.21札幌札幌記念GII芝2000m(稍)1647008.40(3人)05着02:02.4(37.1)-0.7池添謙一57kgネオリアリズム
0000.10.30東京天皇賞(秋)GI芝2000m(良)15713167.8(13人)15着02:00.8(35.6)-1.5池添謙一58kgモーリス
0000.12.03中京金鯱賞GII芝2000m(良)13813009.90(4人)01着01:59.7(33.1)-0.0池添謙一56kg(パドルウィール)
0000.12.25中山有馬記念GI芝2500m(良)1624032.60(8人)04着02:32.9(35.1)-0.3池添謙一57kgサトノダイヤモンド
2017.03.11中京金鯱賞GII芝2000m(良)1636003.60(1人)01着01:59.2(34.7)-0.2池添謙一57kg(ロードヴァンドール)
0000.04.02阪神大阪杯GI芝2000m(良)14813010.20(4人)03着01:59.1(33.8)-0.2池添謙一57kgキタサンブラック
0000.08.20札幌札幌記念GII芝2000m(良)1333002.70(1人)03着02:00.6(35.4)-0.2池添謙一57kgサクラアンプルール
0000.10.29東京天皇賞(秋)GI芝2000m(不)1835015.90(7人)11着02:10.8(40.6)-2.5池添謙一58kgキタサンブラック
0000.11.26東京ジャパンCGI芝2400m(良)17816116.5(12人)08着02:25.0(35.5)-1.3池添謙一57kgシュヴァルグラン
0000.12.24中山有馬記念GI芝2500m(良)1611024.60(6人)10着02:34.4(35.8)-0.8池添謙一57kgキタサンブラック
2018.03.11中京金鯱賞GII芝2000m(稍)911008.50(3人)04着02:02.3(34.4)-0.7池添謙一57kgスワーヴリチャード
0000.04.01阪神大阪杯GI芝2000m(良)1623038.5(10人)04着01:58.6(33.7)-0.4池添謙一57kgスワーヴリチャード

種牡馬時代

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2022年に初年度産駒がデビュー。2022年7月16日小倉6Rをタガノタントが勝利して、産駒のJRA初勝利を挙げた[25]

血統表

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ヤマカツエース血統(血統表の出典)[§ 1]
父系キングマンボ系
[§ 2]

キングカメハメハ
2001鹿毛
父の父
Kingmanbo
1990鹿毛
Mr. ProspectorRaise a Native
Gold Digger
MiesqueNureyev
Pasadoble
父の母
*マンファス
1991黒鹿毛
*ラストタイクーン*トライマイベスト
Mill Princess
Pilot BirdBlakeney
The Dancer

ヤマカツマリリン
2004栗毛
*グラスワンダー
1995栗毛
Silver HawkRoberto
Gris Vitesse
AmerifloraDanzig
Graceful Touch
母の母
*イクセプトフォーワンダ
1995鹿毛
TejaboDeputy Minister
Cutty
Unique GalBold Ruckus
Spin to Win
母系(F-No.)(FN:2-k)[§ 3]
5代内の近親交配Northern Dancer 9.38% S5×S5×M5[§ 4]
出典
  1. ^ [26]
  2. ^ [27]
  3. ^ [26]
  4. ^ [26]


同名馬

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ばんえい競馬に同名馬が在籍している[28]。2019年5月27日生まれで、父アローファイター、母セタナセンプーの血統[28]。生涯戦績は55戦12勝(2024年2月時点)[29]、主な勝ち鞍に2021年のヤングチャンピオンシップ

脚注

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注釈

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  1. ^ なお、最後の直線で内に斜行したことにより、鞍上の池添謙一は9日間の騎乗停止となった[8]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ヤマカツエース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年2月4日閲覧。
  2. ^ a b ヤマカツエース号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2018年9月6日). 2019年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月6日閲覧。
  3. ^ “ヤマカツエース の競走馬情報”. POG-INFO. http://poginfo.ddo.jp/pogs/horseData/show/2012102774 2016年1月9日閲覧。 
  4. ^ a b ヤマカツエース”. netkeiba.com. 2022年4月18日閲覧。
  5. ^ “【3歳500万下】(京都4、6R)~ブチコ、ヤマカツエースが勝利”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). (2022年4月18日). https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_5233.html 2016年1月9日閲覧。 
  6. ^ “【ファルコンS(GIII)】(中京)~伏兵タガノアザガルが大激戦制す”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). (2015年3月21日). http://keiba.radionikkei.jp/keiba/iii_78.html 2016年1月9日閲覧。 
  7. ^ “ヤマカツエースが重賞初V、鞍上池添「次もしっかりと乗りたい」/ニュージーランドT”. デイリースポーツ. (2015年4月12日). https://www.daily.co.jp/horse/2015/04/12/0007909939.shtml 2016年1月9日閲覧。 
  8. ^ 池添謙一騎手が騎乗停止 - netkeiba.com、2016年1月9日閲覧
  9. ^ “【NHKマイルC】(東京)~クラリティスカイが抜け出してGI初制覇”. (2015年5月10日). https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_5954.html 2016年1月9日閲覧。 
  10. ^ “ダービーフィズが待望の重賞V、岩田「もっと上を目指せる器」/函館記念”. デイリースポーツ. (2015年7月20日). https://www.daily.co.jp/horse/2015/07/20/0008225722.shtml 2016年1月9日閲覧。 
  11. ^ 2015年札幌記念”. netkeiba.com. 2016年1月9日閲覧。
  12. ^ “【富士S】(東京)~昨年の2歳王者ダノンプラチナが差し切る”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). (2015年10月24日). http://www.radionikkei.jp/keiba/post_7180.html 2016年1月9日閲覧。 
  13. ^ “【中山金杯】エースが文句なしの快勝”. デイリースポーツ. (2016年1月6日). https://www.daily.co.jp/horse/2016/01/06/0008698256.shtml 2016年12月29日閲覧。 
  14. ^ “【京都記念】(京都)~サトノクラウンが3馬身差でV”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). (2016年2月14日). https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_8077.html 2016年12月29日閲覧。 
  15. ^ “【鳴尾記念】(阪神)~サトノノブレスがレコードで重賞4勝目”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). (2016年6月4日). https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_8997.html 2016年12月29日閲覧。 
  16. ^ “【宝塚記念】(阪神)~牝馬マリアライトが制す”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). (2016年6月26日). https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_9152.html 2016年12月29日閲覧。 
  17. ^ “【札幌記念】5着ヤマカツエース「復調の兆しを見せた」と池添”. スポーツ報知. (2016年8月21日). オリジナルの2016年12月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161229101840/http://www.hochi.co.jp/horserace/20160821-OHT1T50187.html 2016年12月29日閲覧。 
  18. ^ “【天皇賞・秋】戦い終えて”. スポーツニッポン. (2016年10月31日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2016/10/31/kiji/K20161031013632650.html 2017年1月3日閲覧。 
  19. ^ “【金鯱賞】ヤマカツエースねじ伏せるように差し切って重賞4勝目”. デイリースポーツ. (2016年12月4日). https://www.daily.co.jp/horse/2016/12/04/0009721552.shtml 2017年1月3日閲覧。 
  20. ^ “【有馬記念】ヤマカツエース 上がり“最速”地力見せたが4着”. スポーツニッポン. (2016年12月26日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2016/12/26/kiji/20161225s00004048260000c.html 2017年1月3日閲覧。 
  21. ^ “ヤマカツエース3カ月ぶり連覇「まだ余裕」/金鯱賞”. 日刊スポーツ. (2017年3月12日). http://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&year=2017&month=03&day=12&id=1791012 2017年3月12日閲覧。 
  22. ^ “ヤマカツエースは招待のあった香港G1を辞退”. netkeiba.com. (2018年4月11日). http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=135734 2018年9月6日閲覧。 
  23. ^ “重賞5勝ヤマカツエースが引退”. スポーツ報知. (2018年9月6日). https://hochi.news/articles/20180906-OHT1T50094.html 2018年9月6日閲覧。 
  24. ^ ヤマカツエースの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2024年2月4日閲覧。
  25. ^ 【JRA】ヤマカツエース産駒が初勝利 小倉6RでタガノタントがV | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年7月16日閲覧。
  26. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ヤマカツエース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年1月9日閲覧。
  27. ^ ヤマカツエース - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 報知新聞社. 2022年4月18日閲覧。
  28. ^ a b ヤマカツエース”. 【公式】ばんえい十勝. 2022年3月23日閲覧。
  29. ^ ヤマカツエース”. 地方競馬全国協会. 2024年3月3日閲覧。

外部リンク

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