ワンダースピード

ワンダースピード(欧字名:Wonder Speed2002年3月15日 - )は日本競走馬。主な勝ち鞍は2008年アンタレスステークス、2008年・2010年名古屋グランプリ2009年平安ステークス東海ステークス

ワンダースピード
2008年12月7日 阪神競馬場
欧字表記Wonder Speed
品種サラブレッド
性別
毛色黒鹿毛
生誕2002年3月15日
死没不明
抹消日2011年1月10日
キンググローリアス
ワンダーヘリテージ
母の父Pleasant Tap
生国日本の旗 日本北海道三石町
生産者フクダファーム
馬主山本信行
調教師湯浅三郎栗東
羽月友彦(栗東)
競走成績
生涯成績46戦12勝(通算)
37戦9勝(中央競馬
9戦3勝(地方競馬
獲得賞金4億1845万6000円(通算)
3億1246万1000円(中央競馬)
1億599万5000円(地方競馬)
勝ち鞍
GII東海ステークス2009年
JpnII名古屋グランプリ2008年・2010年
GIIIアンタレスS2008年
GIII平安ステークス2009年
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馬名の意味は、冠名の「ワンダー」と速度を意味する「スピード」より。

半弟JBCクラシック帝王賞を含む重賞6勝を挙げたワンダーアキュートがいる。

京都競馬場ダート1800メートル戦を得意としており、9戦5勝(重賞2勝)と抜群の成績を残した。

経歴

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2歳(2004年)、3歳(2005年)、4歳(2006年)

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競走馬デビュー戦は、8月に小倉競馬場で行われた芝の2歳新馬戦で、5番人気で4着だった。その後未勝利馬のまま園田競馬場に遠征したりしたが勝利できなかった。そして3歳時の2005年の10月にデビュー10戦目でようやく初勝利を挙げた。2勝目は2006年の初戦となった笠松競馬場でのガーネット特別で、さらに2連敗した後に3勝目を挙げたが、この年はその後5連敗を喫した。

5歳(2007年)

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この年2戦目の4歳以上1000万下競走を制して4勝目を挙げ、昇級初戦の御堂筋ステークス(1600万下)で9着となった後、3月1日付で湯浅三郎厩舎の定年解散に伴い羽月友彦厩舎へ転厩した。転厩初戦の鳴門ステークス(1600万下)は9着だったが、3月に梅田ステークス(1600万下)を制してオープン馬となった。続く重賞初挑戦となった東海ステークスでは11番人気ながら2着、休養を挟んで出走した9月のシリウスステークスでは5番人気で3着に入るなどの好走を続け、10月にはアルデバランステークスを制してオープン競走初勝利を挙げた。次走は第8回ジャパンカップダートに出走登録を行い、登録時点では除外の対象だったものの回避馬がいたおかげで繰り上がりで出走に至り、レースでは11番人気で9着という結果に終わった。しかし続く12月のベテルギウスステークスは2番人気に支持され、当時の日本レコードで競走を制し[1]、レース後は休養に入った。

6歳(2008年)

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休み明け初戦はアンタレスステークスで、フィフティーワナーロングプライドといった強豪馬が多く出走したこともあり7番人気にとどまったが、レースでは道中先行し、最後の直線で抜け出して2着のドラゴンファイヤーに1と1/4馬身差をつけて重賞初勝利を挙げた。この勝利は羽月友彦厩舎と生産牧場にとっても重賞初勝利となり、馬主にとっては9年ぶりの重賞勝利となった。続く東海ステークスでは1番人気に推されたが、4着に敗れた。続く帝王賞は5着だった。続くシリウスステークスでも1番人気に支持されたが、マイネルアワグラスにわずかに届かず2着だった。その後、ジャパンカップダートに出走したが、人気通りで去年と同じ9着に敗れた。その後、名古屋グランプリに出走し、2着のメイショウトウコンに2馬身差をつけて快勝した。

7歳(2009年)

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明け7歳の初戦は1月25日平安ステークスであった。レースはゴール前で先行逃げ切りを図らんとするエスポワールシチーを捉えて差し切り勝ち、重賞3勝目を挙げた。その後、3月25日名古屋大賞典に出走したが、後方からの追撃も及ばず2着に終わった。その後、連覇をかけて4月26日アンタレスステークスに1番人気で出走。道中は5番手でレースを進めたが、逃げるウォータクティクスを捕らえることができず2着に敗れた。続く5月24日の東海ステークスでは3番手でレースを進め、最後の直線で一気に抜け出し快勝、重賞4勝目を挙げた。しかし、帝王賞は出走を回避した。休養を挟んで、10月3日のシリウスステークスに1番人気で出走。このレースには半弟のワンダーアキュートも出走し、兄弟対決となった。レースは中団待機策も直線で伸び切れずワンダーアキュートの5着に敗れ、軍配は弟に上がった。続くJBCクラシックでは3着と好走した。続くジャパンカップダートでは先団追走も失速しブービーの15着に終わった。その後、連覇をかけて挑んだ名古屋グランプリでは惜しくも2着だった。

8歳(2010年)

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10月2日のシリウスステークスで復帰、先手を奪い逃げるものの直線で力尽き11着と大敗した。続くみやこステークスでは後方追走も直線で全く伸びず10着に敗れた。年齢的な衰えと気力の喪失を感じた陣営は名古屋グランプリでの引退を決断[2]。レースでは2番手で追走から楽な手応えで先頭に出ると外から襲い掛かってきたマカニビスティーを退け2度目の制覇を果たし、自ら引退の花道を飾った。翌2011年1月10日付で正式に競走馬を引退[3]

種牡馬時代

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2011年からレックススタッド種牡馬となった。

2014年に産駒がデビュー。同年6月25日門別競馬第4競走・JRA認定フレッシュチャレンジで、ミトノレオが産駒初勝利をあげた[4]

2015年10月22日付けで用途変更となり種牡馬を引退した[5]

主な産駒

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  • 2012年産

種牡馬引退後

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浦河町のグラストレーニングセンターに繋養され、2017年から引退名馬繋養展示事業の対象馬となっていた。ところが、2021年にグラストレーニングセンターが閉場して同年6月には引退名馬繋養展示事業の助成対象ではなくなる[6]。以後の消息は不明となっている。

競走成績

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年月日競馬場競走名


オッズ
(人気)
着順騎手斤量
[kg]
距離(馬場)タイム
(上り3F
時計
勝ち馬/(2着馬)
20048.8小倉 2歳新馬64426.4(5人)4着長谷川浩大52芝1200m(良)1:12.4 (35.9)0.7ツルマルフェロー
8.21小倉2歳未勝利1333104.1(11人)13着長谷川浩大52芝1800m(良)1:51.4 (37.2)2.5ニホンピロブレイブ
9.11阪神2歳未勝利1181147.1(6人)5着難波剛健54ダ1400m(良)1:28.5 (38.9)1.7フジヤマヘイザン
12.25阪神2歳未勝利1611293.8(14人)12着難波剛健55ダ1400m(良)1:28.5 (39.0)2.1ピサノベガス
20051.12園田今剛山特別中央交流1122-(4人)5着難波剛健54ダ1400m(良)1:32.4(00.01.1シンエイハイエスト
1.29小倉3歳未勝利153533.6(8人)7着野元昭嘉56ダ1700m(稍)1:47.8 (38.6)0.6グランプリハッピー
4.20園田氷ノ山特別中央交流12812-(6人)2着難波剛健54ダ1400m(重)1:30.9(00.00.3エリシオバイオ
8.14小倉3歳未勝利152247.1(8人)3着難波剛健56ダ1700m(良)1:48.2 (39.6)0.4ステラバスク
8.21小倉3歳未勝利15474.7(2人)2着難波剛健56ダ1700m(重)1:46.4 (37.7)0.2セゾンインチーフ
10.29福島3歳未勝利138124.6(3人)1着赤木高太郎57ダ1700m(良)1:48.3 (39.6)0.0(キングベガロード)
20061.24笠松ガーネット特別中央交流944-(4人)1着赤木高太郎57ダ1800m(良)1:57.8(00.0-0.2(コールアウト)
2.26阪神4歳上1000万下125777.4(9人)9着難波剛健56ダ1800m(不)1:55.0 (38.7)2.5フィールドルージュ
5.20 中京4歳上1000万下1559184.6(15人)5着丸野勝虎57ダ1700m(稍)1:45.1 (38.0)0.7ハギノプレシャス
6.25 京都3歳上500万下16489.6(4人)1着五十嵐冬樹57ダ1800m(良)1:52.8 (37.9)-0.1(スナークエベレスト)
7.16小倉桜島特別1000万下155973.0(10人)12着赤木高太郎57ダ1700m(良)1:45.8 (39.0)2.1メイショウポパイ
10.28福島福島放送賞1000万下152283.9(14人)10着赤木高太郎57ダ1700m(稍)1:46.4 (39.1)1.6テンシノコンコルド
11.19京都3歳上1000万下1636230.5(15人)4着赤木高太郎57ダ1800m(稍)1:52.0 (38.2)0.7マルブツリード
12.2阪神ゴールデンスパーT1000万下145827.5(9人)4着藤田伸二58ダ2000m(良)2:06.6 (38.6)0.3ツルマルスリー
12.23阪神北摂特別1000万下1581512.1(4人)11着O.ペリエ55ダ2000m(良)2:07.9 (37.9)1.3ヴァンデグローブ
20071.6京都4歳上1000万下165917.7 (7人)5着安部幸夫57ダ1800m(稍)1:52.3 (37.1)0.3ゼンノマルビナス
1.27京都4歳上1000万下11449.8(5人)1着吉田稔57ダ1800m(良)1:52.0 (37.1)-0.2(パープルイーグル)
2.24阪神御堂筋S1600万下1445122.0(14人)9着赤木高太郎57芝2400m(良)2:27.5 (36.2)1.4ダークメッセージ
3.24阪神鳴門S1600万下1647258.7(16人)9着角田晃一57ダ1200m(良)1:12.3 (36.4)1.5ハギノトリオンフォ
4.8阪神梅田S1600万下163623.8(9人)1着小牧太54ダ2000m(良)R2:03.9 (37.3)-0.4(マイイージス)
5.20中京 東海SGII1681531.8(11人)2着小牧太57ダ2300m(良)2:26.9 (37.3)0.1メイショウトウコン
9.29阪神シリウスSGIII131113.6(5人)3着小牧太55ダ2000m(良)2:05.4 (37.3)0.3ドラゴンファイヤー
10.28京都アルデバランSOP16484.9(3人)1着小牧太57ダ1800m(良)1:50.9 (36.1)-0.6ドンクール
11.24東京ジャパンCダートGI1651046.2(11人)9着小牧太57ダ2100m(良)2:08.7 (38.2)2.0ヴァーミリアン
12.23阪神ベテルギウスSOP165103.1(2人)1着小牧太58ダ2000m(不)R2:01.0 (36.8)0.0(メイショウサライ)
20084.27京都アンタレスSGIII1681519.2(7人)1着小牧太56ダ1800m(良)1:50.5 (36.1)-0.2(ドラゴンファイヤー)
5.25中京東海SGII166113.4(1人)4着角田晃一57ダ2300m(重)2:24.1 (36.4)0.1ヤマトマリオン
6.25大井帝王賞JpnI13583.8(2人)5着小牧太57ダ2000m(稍)2:05.6 (37.5)0.9フリオーソ
10.4阪神シリウスSGIII167142.2(1人)2着小牧太57ダ2000m(良)2:03.8 (36.5)0.0マイネルアワグラス
12.7阪神ジャパンCダートGI151128.2(9人)9着小牧太57ダ1800m(良)1:50.2 (36.7)1.0カネヒキリ
12.23名古屋名古屋GPJpnII11224.0(2人)1着小牧太56ダ2500m(良)2:45.8 (37.1)-0.5(メイショウトウコン)
20091.25京都平安SGIII16128.3(3人)1着小牧太58ダ1800m(稍)1:50.4 (35.6)0.0エスポワールシチー
3.25名古屋名古屋大賞典JpnIII11553.2(2人)2着小牧太58ダ1900m(良)2:01.9 (38.2)0.1スマートファルコン
4.26京都アンタレスSGIII16352.7(1人)2着小牧太58ダ1800m(重)1:48.1 (36.2)0.3ウォータクティクス
5.24中京東海SGII167144.2(2人)1着小牧太58ダ2300m(良)2:23.7 (36.8)-0.2アロンダイト
10.3阪神シリウスSGIII16592.5(1人)5着小牧太58.5ダ2000m(稍)2:05.1 (37.1)0.6ワンダーアキュート
11.3名古屋JBCクラシックJpnI128124.8(3人)3着小牧太57ダ1900m(良)2:00.3 (37.0)0.1ヴァーミリアン
12.6阪神ジャパンCダートGI1671425.9(8人)15着小牧太57ダ1800m(良)1:51.5 (38.4)1.6エスポワールシチー
12.23名古屋名古屋GPJpnII12112.4(2人)2着小牧太57ダ2500m(良)2:44.3 (36.6)0.1マコトスパルビエロ
201010.2阪神シリウスSGIII126713.5(7人)11着小牧太58.5ダ2000m(良)2:05.4 (38.0)1.0キングスエンブレム
11.7京都みやこSGIII1681637.7(10人)10着小牧太57ダ1800m(良)1:51.1 (36.8)1.3トランセンド
12.23名古屋名古屋GPJpnII118123.5(2人)1着小牧太57ダ2500m(重)2:46.6 (36.4)-0.0マカニビスティー

エピソード

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梅田ステークスは羽月友彦厩舎の管理馬初勝利、アンタレスステークスは同厩舎の管理馬重賞初勝利となっており、メモリアルな勝利に2度貢献している。

血統表

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ワンダースピード血統ミスタープロスペクター系 / Tom Fool 5×5=6.25%(父内))(血統表の出典)

*キンググローリアス
King Glorious
1986 黒鹿毛
父の父
Naevus
1980 栗毛
Mr.ProspectorRaise a Native
Gold Digger
Mudville*ボールドラッド
Batteer Up
父の母
Glorious Natalie
1980 黒鹿毛
Reflected GloryJester
Lysistrata
Blue Eyed BlondeThe Pie King
Blue-Eyed Barbie

*ワンダーヘリテージ
1995 黒鹿毛
Pleasant Tap
1987 鹿毛
Pleasant ColonyHis Majesty
Sun Colony
Never KnockStage Door Johnny
Never Hula
母の母
Casa Petrone
1984 鹿毛
PetronePrince Taj
Wild Miss
Grand TaniaGrand Central
Good Hart F-No. 1-a

脚注

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  1. ^ 2010年12月29日、スマートファルコンが従来のレコードタイムを0秒6上回る2:00.4を樹立した。
  2. ^ web Furlong 2010【レースハイライト】第10回 名古屋グランプリJpnII
  3. ^ ワンダースピード 競走馬登録抹消”. ラジオNIKKEI. 2022年4月23日閲覧。
  4. ^ “6月26日(木)「帝王賞(大井)ワンダーアキュートが2度目のJpnI制覇」ほか [全国競馬情報”]. ラジオNIKKEI. (2014年6月26日). http://keiba.radionikkei.jp/keiba/6262jpni.html 2014年6月27日閲覧。 
  5. ^ 2015年供用停止種雄馬一覧” (PDF). 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2020年2月17日閲覧。
  6. ^ https://gracetc.webnode.jp/

外部リンク

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