ンコ文字(ンコもじ、N'Ko)は、西アフリカマンデ語派の諸言語を表記するための文字。ギニア著作家であるソロマナ・カンテによって1949年に考案された。「N'Ko」はマンディンカ語で「私は言う」という意味である。また、「ンコ」はンコ文字で書かれた表記言語のことをも指す。

ンコ文字
ンコ文字
類型:アルファベット
言語:マンデ語派
時期:1949年に考案
Unicode範囲:U+07C0–U+07FF
ISO 15924 コード:Nkoo
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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メロエ 前3世紀
カナダ先住民 1840年
注音 1913年
ソロマナ・カンテの墓

右から左に続け書きされるなど、多少アラビア文字に似た点もあるが、アルファベットに属する。

現在の使用

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2005年現在、主にギニアコートジボワールで(特にマニンカ語ジュラ語話者に)使われ、マリに(バンバラ語話者による)活動的なコミュニティが存在している。コーランの翻訳や、物理地理学の教科書や、詩集と哲学書や、伝統薬の説明、辞書、いくらかの地方紙を含む出版がなされている。この文字は最も成功した西アフリカの文字に数えられている[1]。主要な(互いに理解できる)マンディング諸語の要素を混ぜ合わせた、使用された文章語は コイネーを意図していたが、特に大いにマニンカ風である。

ンコ文字のほかには、文字を追加されたラテン字が、歴史的理由と、様々な政府によって言語の「公的」翻字としてされていることによって、ある程度全てのマンディング語に使われている。時折、例えばマリのバンバラ語では、この綴り方を用いた識字推進は、まずまずのレベルのリテラシーをもたらしている。 アラビア文字による表記はガンビアセネガルマンディンカ語に一般に用いられている。

文字

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母音

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/ɔ//o//u//ɛ//i//e//a/
‎ߐ‏‎ߏ‏‎ߎ‏‎ߍ‏‎ߌ‏‎ߋ‏‎ߊ‏

子音

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/ɾa//da//t͡ʃa//d͡ʒa//ta//pa//ba/
‎ߙ‎ߘ‎ߗ‏‎ߖ‏‎ߕ‏‎ߔ‏‎ߓ
/ma//la//ka//fa//ɡ͡ba//sa//ra/
‎ߡ‎ߟ‏‎ߞ‏‎ߝ‏‎ߜ‏‎ߛ‏‎ߚ‏
/n̩//ja//wa//ha//na//ɲa/
‎ߒ‎ߦ‏‎ߥ‎ߤ‏‎ߣ‏‎ߢ‏

Unicode収録

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全て Unicode 5.0 にて収録された。

U+0123456789ABCDEF
07C0߀߁߂߃߄߅߆߇߈߉ߊߋߌߍߎߏ
07D0ߐߑߒߓߔߕߖߗߘߙߚߛߜߝߞߟ
07E0ߠߡߢߣߤߥߦߧߨߩߪ ߫ ߬ ߭ ߮ ߯
07F0 ߰ ߱ ߲ ߳ߴߵ߶߷߸߹ߺ

脚注

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  1. ^ Unseth, Peter. 2011. Invention of Scripts in West Africa for Ethnic Revitalization. In The Success-Failure Continuum in Language and Ethnic Identity Efforts, ed. by Joshua A. Fishman and Ofelia García, pp. 23–32. New York: Oxford University Press.

関連項目

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外部リンク

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