京都新聞杯

日本中央競馬会(JRA)が施行する中央競馬の重賞競走(GII)
京都盃から転送)

京都新聞杯(きょうとしんぶんはい)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。

京都新聞杯
Kyoto Shimbun Hai[1]
第70回京都新聞杯(2022年5月7日)
優勝馬:アスクワイルドモア
開催国日本の旗 日本
主催者日本中央競馬会
競馬場京都競馬場
創設1953年10月11日[2]
2024年の情報
距離芝2200m
格付けGII
賞金1着賞金5400万円
出走条件サラ系3歳(国際)(指定)
負担重量馬齢(牡・せん57kg、牝55kg)
出典[3][4]
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京都新聞は、京都府京都市中京区に本社を置く新聞社。同社より寄贈賞の提供を受けている[5]

正賞は京都新聞杯[3][4]

概要

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第67回京都新聞杯
優勝馬レッドジェニアル

東京優駿(日本ダービー)の前哨戦として行われ、同競走の出走を目指す3歳馬が収得賞金の加算を狙って出走する[6]

1953年に菊花賞の前哨戦として「京都盃(きょうとはい)」の名称で創設された、4歳(現3歳)馬による重賞競走[5]。1971年より現名称となった[6]

創設時は10月に京都競馬場の芝2400mで行われ、1967年から1999年まで菊花賞トライアルに指定された[6]。距離や施行場・競走条件は幾度かの変遷を経て、グレード制の導入に伴いGII[注 1]に格付けされた1984年より芝2200mで行われるようになったが、2000年に菊花賞の施行時期が10月に繰り上げられると本競走は菊花賞トライアルの指定から外され、施行時期を5月に移設[注 2]のうえ距離を芝2000mに短縮していたが、2002年より再び芝2200mに戻された(2000年はGIIIで施行された)[6]

地方競馬所属馬は1995年から、外国産馬は2000年からそれぞれ出走が可能になり[2]、2009年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[7][8]

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[3][4]のもの。

出走資格:サラ系3歳

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢(牡・せん57kg、牝55kg)

東京優駿(日本ダービー)のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は東京優駿(日本ダービー)の出走候補馬(2頭まで)およびJRAで施行する2歳芝GI競走の優勝馬が優先出走でき[6][9][10]、JRAで施行する3歳芝重賞競走の優勝馬にも出走資格がある[6]

賞金

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2023年の1着賞金は5400万円で、以下2着2200万円、3着1400万円、4着810万円、5着540万円[3][4]

歴史

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  • 1953年 - 「京都盃」の名称で創設、京都競馬場の芝2400mで施行[2]
  • 1956年 - この年のみ3歳以上で施行(2年連続勝利のヤサカは4歳馬)。
  • 1959年 - 「騎手災害基金競走」の副称をつけて施行[2]
  • 1967年 - 菊花賞トライアルに指定(1999年まで)[6]
  • 1971年 - 名称を「京都新聞杯」に変更[6]
  • 1984年 - グレード制施行によりGII[注 1]に格付け[6]
  • 1995年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が出走可能になる[2]
  • 2000年
    • 施行時期を5月に変更[6]
    • 菊花賞トライアルから除外[6]
    • 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[6]
    • この年のみGIIIで施行(1着本賞金は4200万円)。
  • 2001年 - GII[注 1](1着本賞金も1999年と同額の5400万円)に戻す[6]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIに変更。
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が9頭まで出走可能となる[7][8]
    • 格付表記をGII(国際格付)に変更[7][11]
  • 2020年 - COVID-19の感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[12]
  • 2021年 - 京都競馬場の整備工事に伴い、中京競馬場で施行(2022年も同様)[13]

歴代優勝馬

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コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第18回まで「京都盃」、第19回以降は「京都新聞杯」[6]

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1953年10月11日京都2400mダイサンホウシユウ牡32:32 2/5上田三千夫上田武司上田清次郎
第2回1954年10月3日京都2400mミネマサ牡32:33 2/5斉藤義美伊藤正四郎峯岸正
第3回1955年9月25日京都2400mヤサカ牡32:32 2/5栗田勝武田文吾熊谷忠夫
第4回1956年9月23日京都2000mヤサカ牡42:04 4/5浅見国一武田文吾熊谷忠夫
第5回1957年9月23日京都1800mヨドサクラ牝31:53 2/5伊藤修司伊藤勝吉永田雅一
第6回1958年9月21日京都1800mホウシユウサクラ牡31:51 1/5上田三千夫上田武司上田清次郎
第7回1959年9月20日京都1800mウイルデイール牡31:51.2宇田明彦星川泉士浅野国次郎
第8回1960年9月18日京都1800mヘリオス牡31:49.9大久保正陽大久保亀治加藤弘
第9回1961年11月5日京都1800mミスケイコ牝31:52.7清田十一伊藤勝吉伊藤由五郎
第10回1962年11月11日京都1800mコレヒサ牡31:50.6森安重勝尾形藤吉千明康
第11回1963年11月3日京都1800mコウライオー牡31:50.9浅見国一吉田三郎高田政治
第12回1964年11月1日京都1800mバリモスニセイ牡31:51.9諏訪真諏訪佐市小杉咲枝
第13回1965年10月31日京都1800mキーストン牡31:49.9山本正司松田由太郎伊藤由五郎
第14回1966年10月23日京都2000mハードイツト牝32:02.5簗田善則坪重兵衛吉田久博
第15回1967年10月29日京都2000mサトヒカル牡32:04.0栗田勝大久保亀治鴨常一
第16回1968年10月27日京都2000mタニノハローモア牡32:05.5宮本悳戸山為夫谷水信夫
第17回1969年10月26日京都2000mキングスピード牡32:10.9武田悟夏村辰男坂田綾子
第18回1970年10月25日京都2000mタマホープ牡32:04.5清水久雄増本勇増本孝一
第19回1971年10月24日京都2000mニホンピロムーテー牡32:02.8福永洋一服部正利小林保氏
第20回1972年10月22日京都2000mタイテエム牡32:03.3須貝四郎橋田俊三(有)名鯛興業
第21回1973年10月21日京都2000mトーヨーチカラ牡32:08.3田島良保斉藤義美(有)トーヨークラブ
第22回1974年10月20日京都2000mキタノカチドキ牡32:03.7武邦彦服部正利初田豊
第23回1975年10月19日京都2000mコクサイプリンス牡32:06.2井高淳一稗田敏男芦部凞仁
第24回1976年10月24日阪神2000mトウショウボーイ牡32:02.2福永洋一保田隆芳トウショウ産業(株)
第25回1977年10月23日京都2000mプレストウコウ牡32:01.1郷原洋行加藤朝治郎渡辺喜八郎
第26回1978年10月22日京都2000mメジロイーグル牡32:01.6河内洋伊藤修司メジロ商事(株)
第27回1979年10月21日中京2000mファインドラゴン牡32:00.9南井克巳内田繁三吉田久博
第28回1980年10月19日阪神2000mオーバーレインボー牡32:07.0佐々木晶三中村武志鳥居茂三
第29回1981年10月18日京都2000mサンエイソロン牡32:00.8小島太古山良司佐藤惣一
第30回1982年10月24日京都2000mハギノカムイオー牡32:02.8伊藤清章伊藤修司日隈広吉
第31回1983年10月23日京都2000mカツラギエース牡32:02.0西浦勝一土門一美野出一三
第32回1984年10月21日京都2200mニシノライデン牡32:14.6伊藤清章伊藤修司西山正行
第33回1985年10月20日京都2200mミホシンザン牡32:14.5柴田政人田中朋次郎堤勘時
第34回1986年10月19日京都2200mタケノコマヨシ牡32:14.3伊藤清章伊藤修司梅原トモ
第35回1987年10月18日京都2200mレオテンザン牡32:16.3武豊吉野勇田中竜雨
第36回1988年10月16日京都2200mヤエノムテキ牡32:14.5西浦勝一荻野光男(有)富士
第37回1989年10月15日京都2200mバンブービギン牡32:13.4南井克巳布施正竹田辰一
第38回1990年10月14日京都2200mメジロライアン牡32:12.3横山典弘奥平真治(有)メジロ牧場
第39回1991年10月13日京都2200mナイスネイチャ牡32:15.6松永昌博松永善晴豊嶌正雄
第40回1992年10月18日京都2200mミホノブルボン牡32:12.0小島貞博戸山為夫(有)ミホノインターナショナル
第41回1993年10月17日京都2200mウイニングチケット牡32:13.3柴田政人伊藤雄二太田美實
第42回1994年10月16日阪神2200mスターマン牡32:12.1藤田伸二長浜博之誓山正伸
第43回1995年10月15日京都2200mナリタキングオー牡32:11.4藤田伸二中尾謙太郎山路秀則
第44回1996年10月13日京都2200mダンスインザダーク牡32:14.1武豊橋口弘次郎(有)社台レースホース
第45回1997年10月12日京都2200mマチカネフクキタル牡32:13.1南井克巳二分久男細川益男
第46回1998年10月18日京都2200mスペシャルウィーク牡32:15.0武豊白井寿昭臼田浩義
第47回1999年10月17日京都2200mアドマイヤベガ牡32:12.3武豊橋田満近藤利一
第48回2000年5月6日京都2000mアグネスフライト牡31:59.8河内洋長浜博之渡辺孝男
第49回2001年5月4日京都2000mテンザンセイザ牡31:59.8幸英明藤原英昭平野三郎
第50回2002年5月3日京都2200mファストタテヤマ牡32:12.5安田康彦安田伊佐夫辻幸雄
第51回2003年5月10日京都2200mマーブルチーフ牡32:15.4池添謙一田所清広下村直
第52回2004年5月8日京都2200mハーツクライ牡32:11.9安藤勝己橋口弘次郎(有)社台レースホース
第53回2005年5月7日京都2200mインティライミ牡32:13.0佐藤哲三佐々木晶三(有)サンデーレーシング
第54回2006年5月6日京都2200mトーホウアラン牡32:14.8藤田伸二藤原英昭東豊物産(株)
第55回2007年5月5日京都2200mタスカータソルテ牡32:13.5岩田康誠藤原英昭(株)社台レースホース
第56回2008年5月10日京都2200mメイショウクオリア牡32:18.4岩田康誠西橋豊治松本好雄
第57回2009年5月9日京都2200mベストメンバー牡32:13.0四位洋文宮本博前田晋二
第58回2010年5月8日京都2200mゲシュタルト牡32:12.8池添謙一長浜博之畑佐博
第59回2011年5月7日京都2200mクレスコグランド牡32:13.5武豊石坂正堀川三郎
第60回2012年5月5日京都2200mトーセンホマレボシ牡32.10.0C. ウィリアムズ池江泰寿島川隆哉
第61回2013年5月4日京都2200mキズナ牡32:12.3武豊佐々木晶三前田晋二
第62回2014年5月10日京都2200mハギノハイブリッド牡32:11.0秋山真一郎松田国英日隈良江
第63回2015年5月9日京都2200mサトノラーゼン牡32:11.0川田将雅池江泰寿里見治
第64回2016年5月7日京都2200mスマートオーディン牡32:12.6戸崎圭太松田国英大川徹
第65回2017年5月6日京都2200mプラチナムバレット牡32:15.2浜中俊河内洋(株)ノルマンディーサラブレッドレーシング
第66回2018年5月5日京都2200mステイフーリッシュ牡32:11.0藤岡佑介矢作芳人(株)社台レースホース
第67回2019年5月4日京都2200mレッドジェニアル牡32:11.9酒井学高橋義忠(株)東京ホースレーシング
第68回2020年5月9日京都2200mディープボンド牡32:11.7和田竜二大久保龍志前田晋二
第69回2021年5月8日中京2200mレッドジェネシス牡32:11.2川田将雅友道康夫(株)東京ホースレーシング
第70回2022年5月7日中京2200mアスクワイルドモア牡32:09.5岩田望来藤原英昭廣崎利洋HD(株)
第71回2023年5月6日京都2200mサトノグランツ牡32:14.1川田将雅友道康夫里見治
第72回2024年5月4日京都2200mジューンテイク牡32:11.2藤岡佑介武英智吉川潤

脚注・出典

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参考文献

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  • 「京都新聞杯(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集 【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、1337-1410頁。 

注釈

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  1. ^ a b c 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
  2. ^ これにより、同時期に京都競馬場で行われていた4歳(現3歳)馬限定の重賞「京都4歳特別」は1999年を最後に廃止された[6]

出典

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  1. ^ International Cataloguing Standards Book 2024 (Japan)” (PDF). 国際競馬統括機関連盟. 2024年4月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  3. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 17 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
  4. ^ a b c d 2024年第3回京都競馬番組(第1~6日)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  5. ^ a b 2024年度第3回京都競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 4. 2024年4月29日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 歴史・コース:京都新聞杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  7. ^ a b c 第3回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1424-1425 (2009年). 2016年5月2日閲覧。(索引番号:13058)
  8. ^ a b 平成21年度春季競馬番組の概要について”. 日本中央競馬会 (2008年11月23日). 2010年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月16日閲覧。
  9. ^ [地]が出走できるGI競走とそのステップ競走について【2024年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  10. ^ 競馬番組一般事項” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  11. ^ 平成21年度競馬番組等について”. 日本中央競馬会 (2008年11月18日). 2008年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月2日閲覧。
  12. ^ 4月25日(土曜)から5月31日(日曜)までの中央競馬の開催等について” (PDF). 日本中央競馬会 (2020年4月23日). 2022年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月27日閲覧。
  13. ^ 令和3年度の重賞競走の主な変更点について”. 日本中央競馬会 (2020年10月19日). 2022年4月28日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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