稚内テレビ中継局(わっかないテレビちゅうけいきょく)は、北海道稚内市こまどり3丁目にあるテレビ中継局である。

概要

当中継局は、NHK旭川放送局と在札民放テレビ局が中継局を置き、稚内市内及び周辺地域へ電波を発射している。

ここでは、NHK旭川放送局FM放送北海道放送 (HBC) 稚内テレビ中継局に併設されている稚内緑町中継局、稚内市内にある西稚内中継局・抜海中継局・上勇知中継局・北稚内中継局・稚内宝来中継局、稚内市のコミュニティFM局FMわっぴ〜」送信所についても併せて記述する。

稚内テレビ・FM中継局

中継局は、稚内市こまどり3丁目9番地の富士見が丘に設置されている(稚内ユースホステルに隣接。近くにこまどりスキー場がある)。

デジタルテレビ放送

稚内中継局 (NHK)
稚内中継局
(HBCデジタル・STV・HTB・UHB・TVh)
リモコン
キーID
放送局名チャンネル
番号
空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
1HBC
北海道放送
1620W135W水平偏波北海道約15,800世帯2009年
11月30日
2NHK
旭川教育
20130W全国2009年
1月27日
3NHK
旭川総合
44道北圏
上川留萌
宗谷・北空知
5STV
札幌テレビ放送
32135W北海道2009年
11月30日
6HTB
北海道テレビ放送
42130W
7TVh
テレビ北海道
33140W2014年
10月30日
8UHB
北海道文化放送
18135W2009年
11月30日

アナログテレビ放送

稚内中継局・稚内緑町中継局(HBCアナログ)。2015年12月現在、鉄塔のみ残され局舎は取り壊されている
チャンネル
番号
放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
10HBC
北海道放送
映像100W/
音声25W
音声440W/
音声110W
垂直偏波北海道-1965年
11月12日[4]
6 → 22STV
札幌テレビ放送
映像200W/
音声50W
映像1.5kW/
音声380W
水平偏波1965年
12月1日[5]
24HTB
北海道テレビ放送
1976年
11月11日[6]
26UHB
北海道文化放送
4 → 28NHK
旭川総合
映像1.5kW/
音声370W
道北圏
(上川・
留萌・
宗谷・
北空知)
1963年
10月21日[7]
12 → 30NHK
旭川教育
全国1963年
12月1日[7]
20
(割当のみ)
TVh
テレビ北海道
(開局せず)
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。
  • TVhにはチャンネルが割り当てられていたが開局せず、当該チャンネルは後にNHK教育デジタルテレビのチャンネルに転用された。
  • NHK、STVの放送波が1970年代末期にVHFからUHFに切り替えられたのは、1970年以降、ソビエト連邦(当時)のVHF帯軍事用レーダーの妨害による受信障害があったためである[8]
  • HBCではかつて、お天気カメラを設置していた。

FMラジオ放送

周波数放送局名呼出符号空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
76.1MHzFMわっぴ〜JOZZ1AH-FM50W85W水平偏波稚内市17,256世帯1996年
7月1日
84.5MHzNHK旭川FM-100W115W垂直偏波道北圏(上川・留萌・
宗谷・北空知)
-1969年3月1日[9]
1967年12月8日[10]
  • 運用開始日の括弧内は実用化試験局の開始日。
  • FMラジオの放送中継局では当中継局が最北端である。
  • AIR-G'FM NORTH WAVEは放送エリア外のため公式エリアとして見なされていないが、いずれもradikoで聴取可能である(AIR-Gは2011年4月から、FM NORTH WAVEは2015年7月30日から同時再送信を開始)。
  • FMわっぴ〜の放送エリアは稚内市のほぼ全域。
  • FMわっぴ〜の送信所は、稚内テレビ中継局から北西の方向にある稚内市稚内村ヤムワッカナイの稚内市開基百年記念塔にあり、稚内市全世帯(18,723世帯)のうち92.2%をカバーしている。開局当初は出力10Wで、1999年10月31日までは区域内世帯数が16,908世帯(当時、市内全世帯18,250世帯の92.6%をカバー)であったが、難聴取対策などを目的とした規制緩和措置がはじめて適用され、同年11月1日から出力が20W(ERP・34W)に倍増となり、区域内世帯数が約350世帯増加した[11]。さらに2012年3月には出力がこれまでの2.5倍にあたる50Wに増力された。

HBC稚内緑町テレビ中継局

HBC稚内緑町中継局は、1981年、混信対策のため稚内中継局に併設された[8]

アナログテレビ放送

チャンネル
番号
放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
54HBC
北海道放送
映像3W/
音声750mW
映像31W/
音声7.9W
水平偏波北海道-1981年
12月25日[12]
  • 2011年7月24日をもって廃止された。

稚内市内の他のテレビ中継局

西稚内テレビ中継局

西稚内中継局 (NHK)
西稚内中継局(民放)

稚内市西浜1丁目に置かれている。

デジタルテレビ放送

リモコン
キーID
放送局名チャンネル
番号
空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
1HBC
北海道放送
16300mW2.7W水平偏波北海道約400世帯2010年
12月24日
2NHK
旭川教育
203W全国2009年
12月24日
3NHK
旭川総合
442.9W道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
5STV
札幌テレビ放送
322.6W北海道2010年
12月24日
6HTB
北海道テレビ放送
422.4W
7TVh
テレビ北海道
332.7W2014年
12月26日
8UHB
北海道文化放送
182.6W2010年
12月24日
  • NHK旭川は、2009年11月10日に予備免許交付、11月30日から試験放送開始。12月24日に本免許交付され、同日本放送開始。
  • 民放は、TVhを除く4局は2010年9月9日に予備免許交付、11月25日に試験放送開始。12月24日に本免許を交付され、同日本放送開始。なお、当中継局の試験電波発射によりTVhを除く民放各局は道北・北空知管内の全てのデジタル中継局から電波を発射したことになる。
  • TVhは2014年10月27日に予備免許交付[13]11月11日に試験放送開始、12月26日に本免許交付され、同日本放送開始[3]

アナログテレビ放送

チャンネル
番号
放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
50NHK
旭川教育
映像3W/
音声750mW
映像28W/
音声7W
水平偏波全国-1969年
9月1日[14]
52NHK
旭川総合
道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
54HBC
北海道放送
映像27W/
音声6.8W
北海道1972年
11月24日[4]
56STV
札幌テレビ放送
1972年
11月22日[5]
58HTB
北海道テレビ放送
映像28W/
音声7W
60UHB
北海道文化放送
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。なお、TVhにはチャンネルが割り当てられていなかった。

北稚内テレビ中継局

北稚内中継局(民放アナログ・デジタル、NHKアナログ)
北稚内中継局 (NHKデジタル)

稚内市恵比須4丁目に置かれている。

デジタルテレビ放送

リモコン
キーID
放送局名チャンネル
番号
空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
1HBC
北海道放送
16100mW210mW水平偏波北海道約1,400世帯2010年
11月30日
2NHK
旭川教育
20260mW全国
3NHK
旭川総合
31250mW道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
5STV
札幌テレビ放送
32195mW北海道
6HTB
北海道テレビ放送
29
7TVh
テレビ北海道
332014年
12月26日
8UHB
北海道文化放送
18200mW2010年
11月30日
  • TVhを除く各局は2010年10月6日予備免許交付、10月27日に試験放送開始、11月30日に本免許交付され、同日本放送開始。
  • またTVhは2014年10月27日予備免許交付[13]11月12日に試験放送開始、12月26日に本免許交付され、同日本放送開始[3]

アナログテレビ放送

チャンネル放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
35NHK
旭川教育
映像1W/
音声250mW
映像2.2W/
音声550mW
水平偏波全国-1973年
10月5日[15]
37NHK
旭川総合
道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
43HBC
北海道放送
北海道
45STV
札幌テレビ放送
映像2.2W/
音声560mW
1992年
3月25日[5]
47HTB
北海道テレビ放送
映像2.2W/
音声550mW
49UHB
北海道文化放送
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。なお、TVhにはチャンネルが割り当てられていなかった。

上勇知テレビ中継局

上勇知中継局

稚内市大字抜海村字上勇知に設置されている。

デジタルテレビ放送

リモコン
キーID
放送局名チャンネル
番号
空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
1HBC
北海道放送
2810mW17.5mW水平偏波北海道約50世帯2010年
11月30日
2NHK
旭川教育
30全国
3NHK
旭川総合
44道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
5STV
札幌テレビ放送
32北海道
6HTB
北海道テレビ放送
42
7TVh
テレビ北海道
242014年
12月26日
8UHB
北海道文化放送
262010年
11月30日

アナログテレビ放送

チャンネル
番号
放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
52NHK
旭川教育
映像100mW/
音声25mW
映像140mW/
音声35mW
水平偏波全国-1976年
3月8日[16]
54HTB
北海道テレビ放送
北海道
56UHB
北海道文化放送
58STV
札幌テレビ放送
1976年
3月8日[5][16][4]
60NHK
旭川総合
道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
62HBC
北海道放送
北海道
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。なお、TVhにはチャンネルが割り当てられていなかった。

抜海テレビ中継局

抜海中継局

稚内市大字抜海村字抜海に設置されている。

デジタルテレビ放送

リモコン
キーID
放送局名チャンネル
番号
空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
1HBC
北海道放送
4510mW14.5mW水平偏波北海道約40世帯2010年
11月30日
2NHK
旭川教育
46全国
3NHK
旭川総合
48道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
5STV
札幌テレビ放送
3615mW北海道
6HTB
北海道テレビ放送
43
7TVh
テレビ北海道
402014年
12月26日
8UHB
北海道文化放送
342010年
11月30日
  • NHKは2010年7月7日に、TVhを除く民放4局は10月22日にそれぞれ予備免許交付、11月9日に試験放送開始、11月30日に本免許交付され、同日本放送開始。
  • TVhは2014年10月27日予備免許交付[13]11月10日に試験放送開始、12月26日に本免許交付され、同日本放送開始[3]

アナログテレビ放送

チャンネル
番号
放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
49NHK
旭川教育
映像100mW/
音声25mW
映像150mW/
音声37mW
水平偏波全国-1977年
8月24日[17][12]
51NHK
旭川総合
道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
53HBC
北海道放送
映像145mW/
音声37mW
北海道
55STV
札幌テレビ放送
映像150mW/
音声37mW
1977年
8月23日[5]
57HTB
北海道テレビ放送
1977年
8月24日[18]
59UHB
北海道文化放送
  • 2011年7月24日をもってすべて廃止された。なお、TVhにはチャンネルが割り当てられていなかった。

稚内宝来テレビ中継局

稚内市宝来5丁目に設置されたミニサテライト局で、設備は稚内市立稚内中学校の屋上に設置されていた[19]

チャンネル
番号
放送局名空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
51HTB
北海道テレビ放送
映像100mW/
音声25mW
映像180mW/
音声44mW
水平偏波北海道-1979年
9月17日[20][21][5][12]
53UHB
北海道文化放送
映像175mW/
音声44mW
55NHK
旭川総合
道北圏
(上川・留萌・
宗谷・北空知)
57NHK
旭川教育
全国
59STV
札幌テレビ放送
北海道
61HBC
北海道放送
映像175mW/
音声45mW
  • デジタル中継局については稚内中継局または北稚内中継局でカバーできることから置局されず、2011年7月24日をもってすべて廃止された。なお、TVhにはチャンネルが割り当てられていなかった。

施設

  • 稚内テレビ中継局はNHK旭川放送局(アナログUHF・デジタル・FM)とHBC(アナログVHF)はそれぞれ単独。民放各局(アナログUHF・デジタル。HBCはデジタルのみ)は共同使用である。
    • 民放のデジタル放送施設の局舎はもともと1976年にHTB・UHB共同のアナログUHFテレビ中継局として開局し、その後、単独で設置していたSTVがVHF波からUHF波に変更された際にこの施設に加わった。そして、地上デジタル放送中継局の開局の際、既存のSTV・HTB・UHBのアナログ放送中継局施設をそのまま使用する形で前者3局にHBCも加わり、さらに2014年にはTVhもこの施設に相乗りしたため最終的にすべての民放局が共同使用する形となった。そのためHBCアナログ中継局(併設の稚内緑町中継局を含む)のみ2011年7月24日のアナログ放送終了をもって運用を終えた。なお前述の通り、HBCアナログ中継局には天気カメラが設置されていた。
  • 西稚内・北稚内はNHK旭川放送局は単独。民放は共同使用である(どちらも局舎あり)。
    • 北稚内はアナログ放送時代、NHKと民放各局をあわせた共同使用となっていたが、デジタル化の際、NHKは隣接地に単独のデジタル中継局が新規建設され、既存のNHKと民放各局のアナログ放送施設には民放各局のデジタル放送設備が加わった。
  • 抜海・上勇知・稚内宝来は共同使用である。

※2009年2月15日にNHK総合テレビの自己批評番組三つのたまご」で稚内テレビ中継局の設備内(地上デジタル放送の送信機器調整)の様子が全国放送で紹介された。

トピックス

  • 放送中断事故[22]
2007年6月9日14時15分頃から約45分間、稚内中継局を含む付近一帯の停電に伴い、当時稚内市内に中継局を設置していなかったTVhを除く民放4社の放送が中断する事故が発生した。なお、NHKは中継局に予備電源(無停電電源装置・自家発電装置)を設置しているためほとんど中断しなかった。

脚注

  1. ^ 地上デジタルテレビジョン放送局(中継局)の予備免許― 株式会社テレビ北海道の道北、オホーツク地区の5中継局 ― - 総務省北海道総合通信局(2014年8月25日)
  2. ^ あす昼頃からTVH放送開始 ノシャップなどは11月中旬から - 稚内プレス(2014年9月30日)※2014年10月1日閲覧
  3. ^ a b c d e 北海道内の地上デジタル放送局の開局状況(2015年12月1日現在) - 総務省北海道総合通信局(2015年12月1日)
  4. ^ a b c 北海道放送 編『北海道放送三十年』北海道放送、1982年、741頁。 
  5. ^ a b c d e f 札幌テレビ放送創立50周年記念事業推進室 編『札幌テレビ放送50年の歩み』札幌テレビ放送、2008年、329頁。 
  6. ^ 日本民間放送連盟(編)『日本放送年鑑'77』洋文社、1977年、25頁。 
  7. ^ a b 日本放送協会 編『NHK年鑑'64』日本放送出版協会、1964年、221頁。 
  8. ^ a b 北海道放送 編『北海道放送三十年』北海道放送、1982年、537頁。 
  9. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'69』日本放送出版協会、1969年、226頁。 
  10. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'68』日本放送出版協会、1968年、242頁。 
  11. ^ 稚内コミュニティ放送局が出力アップ!!(平成11年 広報資料) - 総務省 北海道電気通信監理局(1999年11月1日付、2013年9月15日閲覧)
  12. ^ a b c 北海道放送 編『北海道放送三十年』北海道放送、1982年、742頁。 
  13. ^ a b c d 地上デジタルテレビジョン放送局(中継局)の予備免許― 株式会社テレビ北海道の道北、道東地区の6中継局 ― - 総務省北海道総合通信局(2014年10月27日)
  14. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'70』日本放送出版協会、1970年、306頁。 
  15. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'74』日本放送出版協会、1974年、365頁。 
  16. ^ a b 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'76』日本放送出版協会、1976年、334頁。 
  17. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'78』日本放送出版協会、1978年、333頁。 
  18. ^ 日本民間放送連盟(編)『日本放送年鑑'78』洋文社、1978年、556頁。 
  19. ^ NHK札幌放送局/編集『札幌とともに半世紀 NHK札幌放送局のあゆみ』1984年、90頁。 
  20. ^ 日本民間放送連盟(編)『日本放送年鑑'80』洋文社、1980年、493-495頁。 
  21. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'80』日本放送出版協会、1980年、372頁。 
  22. ^ 民放テレビ4局、稚内全域で映らず 一部地域停電が原因 - 47NEWS(元ソースは北海道新聞、2007年6月10日付、インターネット・アーカイブスによる)

関連項目