第43回ジャパンカップ

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第43回ジャパンカップは、2023年11月26日東京競馬場で行われた競馬の競走である。

ジャパン・オータムインターナショナル
ロンジン
第43回ジャパンカップ
(国際招待)
優勝馬イクイノックス
開催国日本の旗 日本
主催者日本中央競馬会(JRA)
競馬場東京競馬場
施行年2023年
施行日11月26日
距離芝2400m
格付けGI
賞金1着賞金5億円
出走条件サラ系3歳以上(国際・指定)
負担重量定量
天候
馬場状態
優勝馬イクイノックス
優勝騎手クリストフ・ルメール栗東
優勝調教師木村哲也美浦
優勝馬主(有)シルクレーシング
優勝生産者ノーザンファーム安平町
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ワールド・ベスト・レースホース・ランキング世界1位に評され、GI5連勝としていたイクイノックスが制した。

また、騎乗したクリストフ・ルメールは第29回のウオッカ第38回第40回アーモンドアイで制して以来、4度目の本競走制覇となった。

出走馬の状況

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秋華賞を制したリバティアイランド(第28回秋華賞

出走馬18頭中8頭がGI馬、10頭が重賞馬というメンバーになった。その中で古馬勢vs本年の三冠牝馬がぶつかり合う構図が注目された。

ワールド・ベスト・レースホース・ランキングで世界1位の評価を得ているイクイノックスは、本年のドバイシーマクラシック宝塚記念を制し、前走の天皇賞(秋)で連覇を決め、GI5連勝としていた。

リバティアイランドは、本年の桜花賞優駿牝馬秋華賞を制し、2020年デアリングタクト以来、史上7頭目の三冠牝馬となり、GI4連勝としていた。

パンサラッサは、前年のドバイターフ、本年のサウジカップを制し、この夏はヨーロッパに遠征・転戦する予定だったが、軽度の繋靭帯炎を発症し、チャンピオンズカップにて復帰する予定だったが、約8ヶ月半の休養明けで本競走で復帰となる。

他の古馬GI馬からは、前年二冠牝馬となったスターズオンアース、前年の東京優駿を制したドウデュース、前年の天皇賞(春)と宝塚記念の勝ち馬タイトルホルダー、前年の本競走を制し連覇がかかっているヴェラアズールが出走を表明した[1]

その他重賞馬からは、2021・2022年の阪神大賞典を連覇したディープボンド、2022年の共同通信杯の勝ち馬ダノンベルーガが出走する[1]

外国からは、前年のロワイヤルオーク賞、本年のガネー賞を制したイレジンが参戦[2]。当初はコンティニュアスも参戦する予定だったが、遠征前に行われた最終調整で歩様が乱れたため、大事を取り回避となった[3]

地方からは、JRA所属時に出走した2018年日経賞で2着となり、本競走が引退レースとなるチェスナットコート、本年の兵庫サマークイーン賞3着となったクリノメガミエース兵庫所属の2頭が参戦した[1]

出走馬・枠順

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2023年11月26日 第5回東京開催8日目 第12競走

コース

 芝2,400m(Cコース)

天気

 曇、馬場状態: 良、発走: 15時40分

枠番馬番競走馬名性齢騎手調教師馬主単勝人気馬体重

[kg]

人気オッズ
11リバティアイランド牝3川田将雅中内田充正(有)サンデーレーシング23.7470
2イクイノックス牡4C.ルメール木村哲也(有)シルクレーシング11.3498
23タイトルホルダー牡5横山和生栗田徹山田弘419.2476
4スタッドリー牡5T.マーカンド奥村豊(有)シルクレーシング13547.0518
35ドウデュース牡4戸崎圭太友道康夫(株)キーファーズ313.2504
6フォワードアゲン騸6黛弘人中野栄治浅川皓司16866.4438
47イレジン騸6M.ヴェロンJ.ゴーヴァンB.ミリエール10111.2462
8パンサラッサ牡6吉田豊矢作芳人広尾レース(株)746.4480
59ヴェラアズール牡6H.ドイル渡辺薫彦(有)キャロットファーム999.7514
10ダノンベルーガ牡4J.モレイラ堀宣行(株)ダノックス632.5498
611トラストケンシン牡8荻野極高橋文雅菅波立知子17871.9462
12チェスナットコート牡9田辺裕信田中一巧藤田卓也15827.0466
713クリノメガミエース牝4吉村智洋石橋満栗本八江18878.1478
14ディープボンド牡6和田竜二大久保龍志前田晋二883.8494
15ショウナンバシット牡3M.デムーロ須貝尚介国本哲秀12513.1494
816インプレス牡4三浦皇成佐々木晶三前田幸治14666.1530
17スターズオンアース牝4W.ビュイック高柳瑞樹(有)社台レースホース526.6496
18ウインエアフォルク牡6藤田菜七子根本康広成富直行11430.8474

展開

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映像外部リンク
2023ジャパンカップレース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画
2023ジャパンカップレース映像 カンテレ競馬(関西テレビ公式YouTubeチャンネル)による動画

スタート前、3番タイトルホルダーがゲート内で突進するなどあったが、全馬ほぼ揃ったスタートを切った。

すんなりと8番パンサラッサがハナを奪うとそのまま1000mを57.6のハイペースで大逃げを打つ。2番手タイトルホルダーはこのペースについていかず、パンサラッサとは10馬身以上離れての追走をとった。その3馬身後方にイクイノックス、さらに3馬身後方にリバティアイランドとスターズオンアースが4番手で前を追走する。その1.5馬身後ろにディープボンドとドウデュースが位置取り、ダノンベルーガやヴェラアズールらは中団から後方での競馬をとった。

そのままパンサラッサが後続に未だ10馬身ほどのリードをキープして直線に向いた。後続が先頭を捕まえようと追い出す中、イクイノックスが残り400mでタイトルホルダーを交わし2番手に進出し、それに次いでリバティアイランドとスターズオンアース、その後方からドウデュースが脚を伸ばす。残り250mで一杯になったパンサラッサに代わりイクイノックスが先頭に立つと、あとは後続を突き放す一方で、そのままゴール板を駆け抜けた。勝ちタイムは2分21秒8で、2着リバティアイランドに4馬身差をつけ、残り50mで鞍上が手綱を緩めるほどの完勝劇であった。1馬身後方の3着にスターズオンアースが入線し、入線通りに結果が確定した。

結果・払戻金

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順位表

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着順枠番馬番馬名騎手タイム上3F着差
(馬身)
112イクイノックスクリストフ・ルメール2:21.833.5
211リバティアイランド川田将雅2:22.533.94
3817スターズオンアースウィリアム・ビュイック2:22.634.01
435ドウデュース戸崎圭太2:22.733.73/4
523タイトルホルダー横山和生2:23.135.02
6510ダノンベルーガジョアン・モレイラ2:23.233.81
759ヴェラアズールホリー・ドイル2:23.333.8クビ
824スタッドリートム・マーカンド2:23.334.2クビ
947イレジンマリー・ヴェロン2:23.534.21.1/2
10714ディープボンド和田竜二2:23.634.71/2
11715ショウナンバシットミルコ・デムーロ2:23.834.81
1248パンサラッサ吉田豊2:24.038.71.1/4
13816インプレス三浦皇成2:25.235.07
1436フォワードアゲン黛弘人2:25.335.33/4
15818ウインエアフォルク藤田菜七子2:26.235.15
16611トラストケンシン荻野極2:26.636.42
17612チェスナットコート田辺裕信2.27.036.42.1/2
18713クリノメガミエース吉村智洋2:27.938.25

データ

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1000m通過タイム57.6秒(パンサラッサ)
上がり4ハロン48.6秒
上がり3ハロン36.5秒
最速上がり3ハロン33.5秒(イクイノックス)

払戻金

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馬番/枠番人気金額(円)
単勝21130
複勝21110
12110
175210
馬単2→11260
馬連1 - 21180
枠連1 - 11180
ワイド1 - 21130
2 - 173310
1 - 177440
3連単2→1→1721,130
3連複1 - 2 - 172600

太字の配当金額は本競走史上最低の配当であることを示す[注 1]。このうち1・2着のワイド配当及び馬連の払戻金はJRAGI競走の最低タイであり、3連単の払戻金は平地G1での史上最低記録を更新した[9]

エピソード

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テレビ・ラジオ中継

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本競走のテレビ・ラジオ放送実況担当者

脚注

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注釈

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  1. ^ いずれも第40回で記録された最低配当を更新(詳細は当該ページを参照)
  2. ^ 4歳時の第5回ジャパンカップでGI6勝目
  3. ^ 4歳時の第26回ジャパンカップでGI6勝目
  4. ^ 4歳時の第160回天皇賞でGⅠ6勝目
  5. ^ テイエムオペラオー・ゼンノロブロイは同じ年に全て優勝して秋古馬三冠を達成したため、2年以上かけての3競走制覇はキタサンブラックに次いで史上2頭目
  6. ^ ディープインパクトでGI7勝、キタサンブラックでGI6勝を記録
  7. ^ 第5回のシンボリルドルフと第12回のトウカイテイオー、第19回のスペシャルウィークと第31回のブエナビスタ、第26回のディープインパクトと第32回・第33回のジェンティルドンナ、第35回のショウナンパンドラ第41回コントレイル以来
  8. ^ 皐月賞東京優駿ジャパンカップ有馬記念で親子制覇
  9. ^ 皐月賞東京優駿菊花賞ジャパンカップで親子制覇
  10. ^ 第38回ジャパンカップではアーモンドアイが2:20.6を記録した他、キセキスワーヴリチャードシュヴァルグランが2:21.8を上回っている
  11. ^ BS1にて放送。
  12. ^ JRA公式映像使用

出典

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  1. ^ a b c ジャパンカップに外国馬2頭を含む21頭が登録…“世界最強馬”イクイノックスに牝馬三冠リバティアイランドなど豪華メンバー”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2023年11月12日). 2023年11月29日閲覧。
  2. ^ ジャパンカップ(GⅠ)外国馬情報 イレジンが来日 JRA”. jra.jp (2023年11月19日). 2023年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月29日閲覧。
  3. ^ 【ジャパンC】ハーツクライ産駒コンティニュアス、ジャパンC参戦取りやめ 来日前の調教時に後肢に違和感”. netkeiba.com (2023年11月16日). 2023年11月29日閲覧。
  4. ^ 落馬で背中負傷のムーア騎手は京都競馬全て乗り替わり…マイルCSのナミュールは藤岡康太騎手に”. UMATOKU (2023年11月19日). 2023年11月29日閲覧。
  5. ^ 短期免許で来日中のライアン・ムーア騎手が免許を取り消し 落馬の影響で治療のため帰国 - UMATOKU 2023年11月23日
  6. ^ 【ジャパンC】急きょヴェラアズールと初コンビのHドイル騎手が大舞台へ意気込む 落馬負傷ムーア騎手の代打”. UMATOKU (2023年11月23日). 2023年11月29日閲覧。
  7. ^ 【ジャパンC】チェスナットコートは田中学騎手が腰痛悪化のため田辺裕信騎手に乗り替わり”. スポーツ報知 (2023年11月25日). 2023年11月29日閲覧。
  8. ^ 藤田菜七子 ウインエアフォルクでJRA女性騎手初JC参戦「私も負けていられない」”. netkeiba.com (2023年11月23日). 2023年11月29日閲覧。
  9. ^ a b c d 【ジャパンC】イクイノックス信頼の証し!? 3連単1130円は歴代G1最低払戻金額 - 日刊スポーツ 2023年11月26日
  10. ^ 陸上自衛隊中央音楽隊公式 [@JGSDF_CBAND] (2023年12月3日). "全国的に今年一番の寒さとなった11月26日(日)
    東京競馬場で行われた #ジャパンカップ にて #中央音楽隊 が出走前のファンファーレと音楽演奏を響かせました!"
    . X(旧Twitter)より2023年12月12日閲覧
  11. ^ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231130/k10014273341000.html
  12. ^ https://www.nikkansports.com/m/keiba/news/202311300000420_m.html?mode=all&utm_source=AMPbutton&utm_medium=referral
  13. ^ https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=254058
  14. ^ a b c 競馬の放送予定、ニュース、特集記事|NHKスポーツ”. NHK. 2023年11月26日閲覧。
  15. ^ 【2023年11月の実況担当】最高の舞台で"最強対決"が見られるかも...!?注目のジャパンCは山本直アナが初担当!”. ラジオNIKKEI. 2023年11月26日閲覧。