金盃(きんぱい)は、特別区競馬組合大井競馬場で施行する地方競馬重賞競走である。正式名称は「東京中日スポーツ賞 金盃」、東京中日スポーツを発行する中日新聞東京本社が優勝杯を提供している。1956年に創設。大井競馬では、羽田盃東京ダービー大井記念と共に半世紀以上の歴史を有する競走である。2023年の格付けはSII

金盃
開催国日本の旗日本
主催者特別区競馬組合南関東公営
競馬場大井競馬場
創設1956年9月13日
2025年の情報
距離ダート2600m
格付け南関東SII
賞金1着賞金2500万円
出走条件サラブレッド系4歳以上オープン・南関東所属
負担重量別定(本文を参照
出典[1]
テンプレートを表示

副賞は、特別区競馬組合管理者賞[2](2023年)。

概要

編集

創設当時は秋季開催であり、秋の鞍へと向かう最有力の前哨戦として機能していた。1964年東京オリンピック記念が創設されるとこの役割はそちらに委ね、開催を春期に移動した上でアングロアラブ銀盃とともに上半期の古馬重賞シーズン到来を告げる名物ハンデキャップ競走となった。2007年からは別定戦となっている。

2015年時点では南関東競馬では統一JpnIである川崎記念の次に開催される中長距離重賞であり、ここを回避した、ないしは好走できなかった馬が多く出走する競走となっている。船橋競馬場で行われるダイオライト記念のトライアル競走としても位置付けられており、上位2着までにダイオライト記念への優先出走権が与えられる[1]

なお、1974年から2000メートルの中距離戦として約40年にわたって開催されてきたが、2015年からは2600メートルで行われている。

2019年より本競走で上位に入線した大井所属馬にはサンタアニタパーク競馬場で行われる東京シティカップへの出走が可能になった[3]

条件・賞金等(2023年)

編集
出走資格
サラブレッド系4歳以上の南関東所属馬。
  • 金盃トライアルで上位2着までに入った馬に優先出走権がある[1]
負担重量
別定。A1級格付け馬56kg、A2級格付け馬は54kg、B1級以下格付け馬52kg、牝馬2kg減(南半球産4歳馬1kg減)を基本に、前年2月7日から本年2月17日の間のダートグレード競走・中央競馬重賞競走優勝馬は2kg、南関東SI・SII競走優勝馬は1kgの負担増となる(2歳・3歳限定競走は対象外。クラス分けに関しては日本の競馬の競走体系を参照)[1]
賞金額
1着2,200万円、2着770万円、3着440万円、4着220万円、5着110万円[1]、着外手当20万円[4]
優先出走権付与
本競走で上位2着までに入った馬には、ダイオライト記念の優先出走権が付与される。

歴史

編集
  • 1956年 - サラブレッド系4歳(旧5歳)以上のハンデキャップ競走・ダート2400mの重賞として創設。
  • 1959年 - この年の9月1日から日本競馬の時計表示が変更になったのに伴い、時計が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
  • 1964年 - 開催時期が春季になる。
  • 1968年
  • 1974年 - 施行距離がダート2000mに短縮。
  • 1978年 - 開催されず。
  • 1979年 - 開催時期が冬季になる。
  • 1994年 - 佐々木竹見が騎手として史上2人目の連覇。
  • 1996年 - 石崎隆之が騎手として史上3人目の連覇。
  • 1997年 - 南関東G2に格付けされる。
  • 1999年 - 石崎隆之が騎手として自身2度目、史上4人目の連覇。
  • 2001年 - 馬齢表記の変更に伴い、出走条件を旧5歳以上から4歳以上に変更。
  • 2002年 - インテリパワーが史上初の連覇。
  • 2004年
    • コアレスハンターが史上2頭目の連覇。
    • 内田博幸が騎手として史上5人目の連覇。
    • 高橋三郎が調教師として史上2人目の連覇。
  • 2006年
    • 張田京が騎手として史上6人目の連覇。
    • 岡林光浩が調教師として史上3人目の連覇。
  • 2007年 - 負担重量が別定となる。
  • 2008年
    • 南関東重賞格付け表記を南関東SIIに変更。
    • 内田博幸が騎手として自身2度目、史上7人目の連覇。
  • 2013年
    • トーセンルーチェが史上3頭目の連覇。
    • 張田京が騎手として自身2度目、史上8人目の連覇。
    • 川島正一が調教師として史上3人目の連覇。
  • 2014年 - 戸崎圭太JRA所属騎手として勝利。当競走2勝目。
  • 2015年 - 大井記念と施行距離を交換し、施行距離を2600mに変更。

歴代優勝馬

編集
回数施行年月日距離優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1956年9月13日2400mナンシーシヤイン牡5大井2:36.1朝倉文四郎栗田武栗田武
第2回1957年9月17日ダ2400mイチカントー牡5大井2:38.1藤田安弘小暮嘉久北沢元男
第3回1958年9月24日ダ2400mヨシフサ牡7大井2:35.4朝倉文四郎廿楽長市郎岡田吉信
第4回1959年9月8日ダ2400mユウセイ牡6大井2:37.1鈴木冨士雄栗田武井門昭二
第5回1960年9月15日ダ2400mダンサー牡7大井2:37.4武智一夫三坂博都築寿雄
第6回1961年10月5日ダ2400mオーユキ牡6川崎2:34.8勝又衛小笠原円之助李昌南
第7回1962年10月1日ダ2400mハジメオー牡6川崎2:35.5佐々木竹見井上宥蔵井上徹郎
第8回1963年9月26日ダ2400mサキミドリ牡6大井2:35.5松浦備小暮嘉久北沢元男
第9回1964年4月29日ダ2400mコクユウ牡5大井2:32.8宮下紀英伊藤正美大杉精一
第10回1965年4月13日ダ2400mシユンユウ牡5大井2:32.4渥美忠男安藤徳男穴吹啓一
第11回1966年4月11日ダ2400mスカーレット牡6大井2:33.1荒山徳一田中利衛臼坂巌
第12回1967年4月20日ダ2400mウエルスワン牡6大井2:33.6高橋三郎遠間波満行富田庄吉
第13回1968年5月3日ダ2400mイチウエルス牡6大井R2:30.5高橋三郎遠間波満行富田ソヨ
第14回1969年5月11日ダ2400mヨシミジユニアー牡6大井2:31.8松浦備寺田時次郎草飼力子
第15回1970年5月1日ダ2400mアポスピード牡5大井2:31.9須田茂大山末治佐藤興業(株)
第16回1971年5月7日ダ2400mヒダカスズラン牡6大井2:33.2高橋三郎秋谷元次近藤俊典
第17回1972年4月29日ダ2400mサノヒカリ牡6大井2:31.8赤間清松田中九兵衛佐野牧場(株)
第18回1973年5月4日ダ2400mマルイチキング牡5船橋2:33.7角田次男宮下仁(有)丸一興産
第19回1974年4月14日ダ2000mジユラク牡6川崎2:05.6本間茂鈴木春吉米田律子
第20回1975年4月22日ダ2000mマルイチダイオー牡5船橋2:05.8角田次男宮下仁(有)丸一興産
第21回1976年4月23日ダ2000mチユウオキヤプテン牡6大井2:05.0赤間清松竹内美喜男(有)中央牧場
第22回1977年4月22日ダ2000mカネオオエ牡7川崎R2:03.0佐々木竹見鈴木定敏金指利明
第23回1979年2月26日ダ2000mハツマモル牡5大井2:04.5福永二三雄朝倉文四郎山岡初太郎
第24回1980年2月26日ダ2000mタガワキング牡5大井R2:02.7赤間清松大塚三郎(有)大平
第25回1981年2月10日ダ2000mアズマキング牡5大井2:03.7岡部盛雄岡部猛(有)上山ビル
第26回1982年3月2日ダ2000mシルバーモリユキ牡6大井2:04.4本間茂田中康弘森誠之助
第27回1983年2月28日ダ2000mセイコーリマン牡5大井2:05.3佐々木忠昭栗田繁アイ・エンタープライズ(株)
第28回1984年2月27日ダ2000mチユウオーリーガル牡5大井2:03.9佐々木洋一田村勝男(有)中央牧場
第29回1985年2月7日ダ2000mロツキータイガー牡5船橋2:08.3桑島孝春泉孝児玉孝
第30回1986年3月4日ダ2000mカウンテスアップ牡6大井2:06.7的場文男赤間清松佐橋五十雄
第31回1987年1月28日ダ2000mミハマシヤーク牡5川崎2:08.3山崎尋美鈴木敏一関明夫
第32回1988年3月3日ダ2000mチヤンピオンスター牡5大井2:05.8高橋三郎秋谷元次坪野谷純子
第33回1989年3月7日ダ2000mスーパーミスト牡7大井2:08.0堀千亜樹渥美忠男(有)鳥海商事
第34回1990年2月27日ダ2000mダイコウガルダン牡6船橋2:08.0高橋三郎渡辺薫熊久保勅夫
第35回1991年2月26日ダ2000mシローランド牡5大井2:06.6佐々木忠昭田中利衛(有)西山牧場
第36回1992年3月4日ダ2000mゴールセルフ牡6大井2:05.4本間光雄竹原眞一石坂正弘
第37回1993年3月1日ダ2000mスルガスペイン牡7大井2:08.1佐々木竹見蛯名末五郎伊藤昭次
第38回1994年2月28日ダ2000mツキノイチバン牡6大井2:04.9佐々木竹見福永二三雄月村泰男
第39回1995年3月6日ダ2000mアマゾンオペラ牡5船橋2:05.3石崎隆之出川己代造柳澤瀀
第40回1996年3月5日ダ2000mコンサートボーイ牡5大井2:06.3石崎隆之栗田繁森杉茂
第41回1997年2月27日ダ2000mテツノセンゴクオー牡6大井2:06.7高橋三郎大山一男(株)勝俣工務店
第42回1998年3月11日ダ2000mグランプリクン牡5浦和2:06.8石崎隆之野口孝角田哲男
第43回1999年3月1日ダ2000mミナミノジャック牡8大井2:04.7石崎隆之太田進永嶋道治
第44回2000年3月2日ダ2000mイナリコンコルド牡6大井2:07.4内田博幸福永二三男保手濱忠弘
第45回2001年3月1日ダ2000mインテリパワー牡6川崎2:04.5今野忠成秋山重美佐橋五十雄
第46回2002年3月6日ダ2000mインテリパワー牡7船橋2:06.4張田京川島正行佐橋五十雄
第47回2003年3月5日ダ2000mコアレスハンター牡6大井2:05.5内田博幸高橋三郎小林昌志
第48回2004年2月18日ダ2000mコアレスハンター牡7大井2:06.3内田博幸高橋三郎小林昌志
第49回2005年2月2日ダ2000mブラウンシャトレー牡8船橋2:05.2張田京岡林光浩小島史代
第50回2006年2月1日ダ2000mメイプルエイト牡4船橋2:04.8張田京岡林光浩節英司
第51回2007年2月21日ダ2000mボンネビルレコード牡5大井2:07.3内田博幸庄子連兵塩田清
第52回2008年2月20日ダ2000mルースリンド牡7船橋2:06.4内田博幸矢野義幸金子光男
第53回2009年2月18日ダ2000mバグパイプウィンド牡5大井2:06.8的場文男庄子連兵塩田清
第54回2010年2月3日ダ2000mマズルブラスト牡8船橋2:06.1戸崎圭太川島正行吉田照哉
第55回2011年2月16日ダ2000mスーパーパワー牡6大井2:03.1真島大輔鷹見浩(有)グランド牧場
第56回2012年2月15日ダ2000mトーセンルーチェ牡6船橋2:05.9張田京川島正一島川隆哉
第57回2013年2月20日ダ2000mトーセンルーチェ牡7船橋2:07.4張田京川島正一島川隆哉
第58回2014年2月5日ダ2000mフォーティファイド牡9大井2:06.5戸崎圭太藤田輝信吉田勝己
第59回2015年2月4日ダ2600mアウトジェネラル牡5大井2:48.6御神本訓史藤田輝信(有)サンデーレーシング
第60回2016年2月10日ダ2600mジャルディーノ牡7大井2:50.2真島大輔荒山勝徳吉田正志
第61回2017年2月16日ダ2600mユーロビートセ8大井2:51.6吉原寛人渡邉和雄吉田和美
第62回2018年2月21日ダ2600mクラージュドール牡8船橋2:50.3森泰斗川島正一(有)社台レースホース
第63回2019年2月6日ダ2600mサウンドトゥルー9船橋2:49.8御神本訓史佐藤裕太山田弘
第64回2020年2月5日ダ2600mサウンドトゥルー騸10船橋2:49.2森泰斗佐藤裕太山田弘
第65回2021年2月17日ダ2600mマンガン牡4川崎2:46.1吉原寛人田島寿一大栗芳一
第66回2022年2月9日ダ2600mフレッチャビアンカ牡5船橋2:47.1御神本訓史川島正一大久保和夫
第67回2023年2月22日ダ2600mカイル牡4浦和2:49.2御神本訓史小久保智島川隆哉
第68回2024年1月24日ダ2600mランリョウオー牡6浦和2:52.9本橋孝太小久保智糸井政三
  • 2000年以前は旧馬齢表記。

Rはコースレコードを示す。

脚注

編集

参考文献

編集

注釈

編集

出典

編集
  1. ^ a b c d e 令和4年度 第18回大井競馬競走番組表(決定)” (PDF). 東京シティ競馬 : TOKYO CITY KEIBA. 2023年2月22日閲覧。
  2. ^ 大井競馬出走馬一覧表 令和4年度第18回大井競馬第3日2月22日(水)” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年2月22日閲覧。
  3. ^ 大井所属馬に米サンタアニタダービー出走枠スポーツ報知、2018年6月5日閲覧
  4. ^ 2022年度大井競馬番組” (PDF). 特別区競馬組合. p. 68. 2023年2月22日閲覧。

各回の結果の出典

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集