2002 FIFAワールドカップ・決勝トーナメント

2002 FIFAワールドカップの決勝トーナメント(ノックアウトステージ)は、8組のグループステージの上位2チーム(合計16チーム)が進出し、シングルエリミネーションスタイルのトーナメントを行う。

以下、表記時刻はすべて日本標準時または韓国標準時(共にUTC+9)。

フォーマット

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決勝トーナメントでは、90分(前後半45分)が終了しても同点の場合は、30分(前後半15分)の延長戦を実施する。延長戦はゴールデンゴール方式を採用し、どちらかの得点があった場合はその時点で試合終了となる。延長戦後も同点の場合はPK戦によって勝者を決定する。

進出チーム

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8つのグループのそれぞれ上位2チームが決勝トーナメントに進出する。

決勝トーナメントでは、どの国もラウンド16から準決勝までは同じ国で対戦するように組み合わせが設定されたが、ラウンド16の組み合わせが全てグループA-D(韓国で対戦)とグループE-H(日本で対戦)の組み合わせとなったことから、16ヶ国中8ヶ国はグループステージ終了後に日本から韓国へ(或いはその逆)の移動が必要となった。

グループグループ1位グループ2位
A  デンマーク  セネガル
B  スペイン  パラグアイ
C  ブラジル  トルコ
D  韓国  アメリカ合衆国
E  ドイツ  アイルランド
F  スウェーデン  イングランド
G  メキシコ  イタリア
H  日本  ベルギー

トーナメント表

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ラウンド16準々決勝準決勝決勝
 
              
 
6月15日 – 西帰浦
 
 
 ドイツ1
 
6月21日 – 蔚山
 
 パラグアイ0
 
 ドイツ1
 
6月17日 – 全州
 
 アメリカ合衆国0
 
 メキシコ0
 
6月25日 – ソウル
 
 アメリカ合衆国2
 
 ドイツ1
 
6月16日 – 水原
 
 韓国0
 
 スペイン (p)1 (3)
 
6月22日 – 光州
 
 アイルランド1 (2)
 
 スペイン0 (3)
 
6月18日 – 大田
 
 韓国 (p)0 (5)
 
 韓国 (延長)2
 
6月30日 – 横浜
 
 イタリア1
 
 ドイツ0
 
6月15日 – 新潟
 
 ブラジル2
 
 デンマーク0
 
6月21日 – 静岡
 
 イングランド3
 
 イングランド1
 
6月17日 – 神戸
 
 ブラジル2
 
 ブラジル2
 
6月26日 – さいたま
 
 ベルギー0
 
 ブラジル1
 
6月16日 – 大分
 
 トルコ03位決定戦
 
 スウェーデン1
 
6月22日 – 大阪6月29日 – 大邱
 
 セネガル (延長)2
 
 セネガル0  韓国2
 
6月18日 – 宮城
 
 トルコ (延長)1  トルコ3
 
 日本0
 
 
 トルコ1
 

ラウンド16

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ドイツ vs パラグアイ

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ドイツ
パラグアイ
GK1オリバー・カーン
RB22トルステン・フリンクス
CB3マルコ・レーマー 46分
CB2トーマス・リンケ
LB21クリストフ・メッツェルダー 60分
RM19ベルント・シュナイダー 35分
CM16イェンス・イェレミース
CM13ミヒャエル・バラック 90+2分
LM17マルコ・ボーデ
CF7オリバー・ノイビル 90+2分
CF11ミロスラフ・クローゼ
交代出場:
MF15セバスティアン・ケール 46分
DF4フランク・バウマン 71分 60分
FW14ゲーラルド・アサモア 90+2分
監督
ルディ・フェラー
GK1ホセ・ルイス・チラベルト
RB2フランシスコ・アルセ
CB18フリオ・セサル・カセレス
CB5セルソ・アジャラ
CB4カルロス・ガマーラ
LB21デニス・カニサ
CM15カルロス・ボネット 84分
CM10ロベルト・アクーニャ  26分   90+2分
CM6スタニスラウス・ストルーウェイスペイン語版 90+1分
CF20ホセ・カルドーソ 50分
CF9ロケ・サンタ・クルス 29分
交代出場:
FW11ホルヘ・ルイス・カンポス英語版 29分
MF14ディエゴ・ガビラン 84分
FW23ネルソン・クエバス 90+1分
監督
チェーザレ・マルディーニ
マン・オブ・マッチ
イェンス・イェレミース
副審
カーティス・チャールズ
ドラマーヌ・ダンテ
第4の審判員
ヒュー・ダラス英語版

デンマーク vs イングランド

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デンマーク
イングランド
GK1トーマス・セーレンセン
RB6トーマス・ヘルヴェグ 7分
CB4マルティン・ラウルセン
CB3レネ・ヘンリクセン英語版
LB12ニクラス・イェンセン
CM2スティグ・テフティン英語版 24分 58分
CM7トーマス・グラヴェセン
RW19デニス・ロンメダール
AM9ヨン・ダール・トマソン
LW8イェスパー・グレンケア
CF11エッベ・サンド
交代出場:
DF20キャスパー・ベゲルンド 7分
MF14クラウス・イェンセン 58分
監督
モアテン・オルセン
GK1デビッド・シーマン
RB2ダニー・ミルズ 50分
CB5リオ・ファーディナンド
CB6ソル・キャンベル
LB3アシュリー・コール
RM7デビッド・ベッカム
CM8ポール・スコールズ 49分
CM21ニッキー・バット
LM4トレヴァー・シンクレア
CF11エミール・ヘスキー 69分
CF10マイケル・オーウェン 46分
交代出場:
FW9ロビー・ファウラー 46分
MF23キーロン・ダイアー 49分
FW17テディ・シェリンガム 69分
監督
スヴェン・ゴラン・エリクソン
マン・オブ・マッチ
リオ・ファーディナンド
副審
ハイナー・ミュラー
エヴゼン・アムラー
第4の審判員
ムラード・ダーミ英語版

スウェーデン vs セネガル

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スウェーデン
セネガル
GK1マグヌス・ヘドマン
RB2オロフ・メルベリ
CB15アンドレアス・ヤコブセン英語版
CB4ヨハン・ミャルビー
LB16テディ・ルチッチ
RM7ニクラス・アレクサンデション 76分
CM8アンデシュ・スヴェンソン
CM6トビアス・リンデロート
LM17マグヌス・スヴェンソン英語版 99分
CF10マルクス・アルベック 65分
CF11ヘンリク・ラーション
交代出場:
FW22アンドレアス・アンデション英語版 65分
FW21ズラタン・イブラヒモビッチ 76分
MF18マティアス・ヨンソン 99分
監督
ラーシュ・ラーゲルベック / トミー・セデベリ英語版
GK1トニー・シルヴァ
RB17フェルディナンド・コリー 73分
CB13ラミネ・ディアッタ
CB4パペ・マリク・ディオプ英語版 66分
LB2オマール・ダフ
CM19パパ・ブバ・ディオプ
CM6アリウ・シセ
CM12アムディ・ファイェ
RF7アンリ・カマラ
CF18パペ・ティアウ英語版 94分
LF11エル=ハッジ・ディウフ
交代出場:
DF21ハビブ・ベイェ 66分
監督
ブルーノ・メツ
マン・オブ・マッチ
アンリ・カマラ
副審
ミゲル・ジァコムッツィハンガリー語版
ヘクター・ベルガラ英語版
第4の審判員
カルロス・エウジェニオ・シモン

スペイン vs アイルランド

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スペイン
アイルランド
GK1イケル・カシージャス
RB5カルレス・プジョル
CB6フェルナンド・イエロ 89分
CB4イバン・エルゲラ
LB3フアンフラン 62分
RM21ルイス・エンリケ
CM8ルベン・バラハ 87分
CM17フアン・カルロス・バレロン
LM11ハビエル・デ・ペドロ 66分
CF7ラウル 80分
CF9フェルナンド・モリエンテス 72分
交代出場:
MF16ガイスカ・メンディエタ 66分
MF14ダビド・アルベルダ 72分
FW12アルベルト・ルケ 80分
監督
ホセ・アントニオ・カマーチョ
GK1シェイ・ギヴン
RB2スティーヴ・フィナン
CB14ギャリー・ブリーン
CB5スティーヴ・ストーントン 50分
LB3イアン・ハート 82分
RM18ギャリー・ケリー 55分
CM12マーク・キンセラ
CM8マット・ホランド
LM11ケヴィン・キルバーン
CF9ダミアン・ダフ
CF10ロビー・キーン
交代出場:
DF4ケニー・カニンガム英語版 50分
FW17ナイアル・クイン 55分
FW13デヴィッド・コノリー 82分
監督
ミック・マッカーシー
マン・オブ・マッチ
イケル・カシージャス
副審
レイフ・リンドバーグ
イゴール・シュラムカハンガリー語版
第4の審判員
ウルス・マイヤー英語版

メキシコ vs アメリカ

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メキシコ
アメリカ
GK1オスカル・ペレス・ロハス
CB5マヌエル・ヴィドリオスペイン語版 37分 46分
CB4ラファエル・マルケス  88分
CB16サルバドール・カルモナスペイン語版 84分
RM21ヘスース・アレジャーノスペイン語版
CM18ホアン・ロドリゲス英語版
CM6ヘラルド・トラード 78分
CM11ブラウリオ・ルナスペイン語版
LM7ラモン・モラーレススペイン語版 28分
CF9ハレド・ボルヘッティ
CF10クアウテモク・ブランコ 70分
交代出場:
FW15ルイス・エルナンデス 67分 28分
MF13シヒフレド・メルカードスペイン語版 46分
MF8Alberto García Aspe 81分 78分
監督
ハビエル・アギーレ
GK1ブラッド・フリーデル 83分
CB22トニー・サネー英語版
CB23エディ・ポープ 26分
CB3グレッグ・バーホルター 53分
RM10クラウディオ・レイナ
CM4パブロ・マストローニ 47分 90分
CM21ランドン・ドノバン
CM5ジョン・オブライエン
LM7エディ・ルイス
CF15ジョシュ・ウォルフ英語版 50分 59分
CF20ブライアン・マクブライド 79分
交代出場:
MF8アーニー・スチュワート 59分
MF13コビ・ジョーンズ 79分
DF16カルロス・リャモサ英語版 90分
監督
ブルース・アリーナ
マン・オブ・マッチ
ランドン・ドノバン
副審
カルロス・マトス
エゴン・ベロイターハンガリー語版
第4の審判員
ヤン・ウェヘレーフ英語版

ブラジル vs ベルギー

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ブラジル
ベルギー
GK1マルコス
CB3ルシオ
CB4ロッキ・ジュニオール
CB5エジミウソン
RWB2カフー
LWB6ロベルト・カルロス 28分
CM19ジュニーニョ・パウリスタ 57分
CM8ジウベルト・シウバ
AM11ロナウジーニョ 81分
AM10リバウド 90分
CF9ロナウド
交代出場:
MF17デニウソン 57分
MF15クレベルソン 81分
MF7リカルジーニョ 90分
監督
ルイス・フェリペ・スコラーリ
GK1ヘールト・デ・フリーガー
RB15ジャッキー・ペータース英語版 72分
CB16ダニエル・ファン・ブイテン
CB6ティミー・シモンス
LB5ニコ・ファン・ケルクホーフェン英語版
RM22ムボ・ムペンザ
CM18イヴ・ファンデルヘーゲ英語版 24分
CM10ヨハン・ワレム
LM8バルト・ホール
CF11ヘルト・ヴェルハイエン英語版
CF7マルク・ヴィルモッツ
交代出場:
FW9ヴェスレイ・ソンク 72分
監督
ロベール・ヴァサイジュ英語版
マン・オブ・マッチ
リバウド
副審
ユーリ・デュパノフ
モハマド・サイード
第4の審判員
上川徹

日本 vs トルコ

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日本  0 – 1  トルコ
レポートダヴァラ  12分
日本
トルコ
GK12楢﨑正剛
CB3松田直樹
CB17宮本恒靖
CB16中田浩二
RM20明神智和
CM21戸田和幸 45分
CM7中田英寿
CM5稲本潤一 46分
LM18小野伸二
CF9西澤明訓
CF14三都主アレサンドロ 46分
交代出場:
FW11鈴木隆行 46分
MF22市川大祐 46分 86分
MF8森島寛晃 86分
監督
フィリップ・トルシエ
GK1リュシュテュ・レチベル
RB5アルパイ・オザラン 21分
CB3ビュレント・コルクマズ
LB20ハカン・ウンサル英語版
CM4ファティフ・アキイェル英語版
CM8トゥガイ・ケリモール
CM18エルギュン・ペンベ英語版 44分
RW22ウミト・ダヴァラ 74分
AM10ユルドゥライ・バシュテュルク 90分
LW11ハサン・シャシュ 85分
CF9ハカン・シュキュル 90分
交代出場:
MF15ニハト・カフヴェジ 74分
FW14タイフール・ハヴチュ英語版 85分
FW17イルハン・マンスズ 90分
監督
シェノル・ギュネシュ
マン・オブ・マッチ
アルパイ・オザラン
副審
マチェイ・ヴィエルツボウスキ
ポール・スミス
第4の審判員
グラハム・ポール

韓国 vs イタリア

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この試合は、主審のバイロン・モレノの複数のジャッジが物議を醸した。

前半5分にはイタリアDFクリスティアン・パヌッチがペナルティエリア内で韓国FW薛琦鉉を倒したとしてペナルティーキックの判定を与え(これは安貞桓のキックをジャンルイジ・ブッフォンが防いで得点ならず)、後半27分には韓国FW黄善洪がイタリアMFジャンルカ・ザンブロッタの臀部に足裏を見せるレッドカードに相当するようなタックルをした(このプレーでザンブロッタは交代を余儀なくされた)ものの黄善洪に警告すら出さず、延長前半15分にはイタリアFWフランチェスコ・トッティがペナルティエリア内で相手に倒されたプレーを「トッティのシミュレーション」と判断して2枚目のイエローカードを提示、さらには延長後半5分にはイタリアMFダミアーノ・トンマージゴールデンゴールを挙げたように見えたプレーをオフサイドの判定で取り消し、最終的に韓国FW安貞桓のゴールデンゴールで韓国がイタリアを破りアジア勢36年ぶりの準々決勝進出をもたらす結末となった[1][2][3][4][5][6][7]

イタリアに不利になるジャッジが立て続けに続いた内容(特にトッティへの2枚目のイエローカード判定)は試合直後から猛烈に批判され[2]、イタリアを意図的に敗退させる為のジャッジだったのではないかとの声が挙がった[8]ほか、監督のジョバンニ・トラパットーニは主催国の一方がトーナメントに残るように企てられたFIFAによる陰謀ではないかとの発言を残している[9]。FIFA会長のゼップ・ブラッターはトンマージのオフサイド判定は副審による「事故」のようなものだとしてモレノのジャッジを批判したものの、「イタリアが敗退したのは、主審や副審が意図的ではなく人為的なミスを犯したからだけではない。イタリアは守備と攻撃の両方でミスを犯した」と述べてFIFAによる陰謀論を否定している[5][10]

トッティへの2枚目のイエローカードと、トンマージのオフサイド判定についてはFIFAが設立100周年を記念して企画されたDVD「FIFA FEVER」内でワールドカップ史上に残る誤審10選の2つに取り上げられている[11]が、モレノ自身は2022年4月のガゼッタ・デロ・スポルトによるインタビューで、自身の明確なミスジャッジは黄善洪にレッドカードを出さなかったことだけだったとした上で「(この試合の)自己採点をするなら(10点満点で)8.5」「韓国対イタリア戦は、レフェリー人生最高の試合の1つ」と述べている[7]

韓国
イタリア
GK1李雲在
CB4崔眞喆 115分
CB20洪明甫 83分
CB7金泰映 17分 63分
RM22宋鐘國 80分
CM6柳想鐵
CM5金南一 68分
LM10李榮杓
RF21朴智星
CF19安貞桓
LF9薛琦鉉
交代出場:
FW18黄善洪 63分
FW14李天秀 99分 68分
FW16車ドゥリ 83分
監督
フース・ヒディンク
GK1ジャンルイジ・ブッフォン
RB2クリスティアン・パヌッチ
CB15マルク・ユリアーノ
CB3パオロ・マルディーニ
LB4フランチェスコ・ココ 4分
RM19ジャンルカ・ザンブロッタ 72分
CM17ダミアーノ・トンマージ 55分
LM6クリスティアーノ・ザネッティ 59分
AM10フランチェスコ・トッティ  22分   103分
CF21クリスティアン・ヴィエリ
CF7アレッサンドロ・デル・ピエロ 61分
交代出場:
MF8ジェンナーロ・ガットゥーゾ 61分
MF16アンジェロ・ディ・リービオ 72分
監督
ジョバンニ・トラパットーニ
マン・オブ・マッチ
安貞桓
副審
ホルヘ・ラッタリーノ
フェレンツ・セーケイ
第4の審判員
モハメド・カザズ英語版

準々決勝

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イングランド vs ブラジル

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イングランド
ブラジル
GK1デビッド・シーマン
RB2ダニー・ミルズ
CB5リオ・ファーディナンド 86分
CB6ソル・キャンベル
LB3アシュリー・コール 80分
RM7デビッド・ベッカム
CM21ニッキー・バット
CM8ポール・スコールズ 75分
LM4トレヴァー・シンクレア 56分
CF10マイケル・オーウェン 79分
CF11エミール・ヘスキー
交代出場:
MF23キーロン・ダイアー 56分
FW20ダリウス・ヴァッセル 79分
FW17テディ・シェリンガム 80分
監督
スヴェン・ゴラン・エリクソン
GK1マルコス
CB3ルシオ
CB5エジミウソン
CB4ロッキ・ジュニオール
RWB2カフー
LWB6ロベルト・カルロス
CM15クレベルソン
CM8ジウベルト・シウバ
AM11ロナウジーニョ  57分
AM10リバウド
CF9ロナウド 70分
交代出場:
FW20エジウソン 70分
監督
ルイス・フェリペ・スコラーリ
マン・オブ・マッチ
リバウド
副審
ヘクター・ベルガラ英語版
モバメド・サイード
第4の審判員
アリ・ブジサイム

ドイツ vs アメリカ

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ドイツ
アメリカ
GK1オリバー・カーン
CB2トーマス・リンケ
CB15セバスティアン・ケール 66分
CB21クリストフ・メッツェルダー
RM22トルステン・フリンクス
CM19ベルント・シュナイダー 60分
CM8ディートマー・ハマン
LM6クリスティアン・ツィーゲ
AM13ミヒャエル・バラック
CF7オリバー・ノイビル 80分
CF11ミロスラフ・クローゼ 88分
交代出場:
MF16イェンス・イェレミース 68分 60分
MF17マルコ・ボーデ 80分
FW20オリバー・ビアホフ 88分
監督
ルディ・フェラー
GK1ブラッド・フリーデル
CB22トニー・サネー英語版
CB23エディ・ポープ 41分
CB3グレッグ・バーホルター 70分
DM4パブロ・マストローニ 69分 80分
RM2フランキー・ヘイダック 65分
CM10クラウディオ・レイナ 68分
CM5ジョン・オブライエン
LM7エディ・ルイス 40分
CF20ブライアン・マクブライド 58分
CF21ランドン・ドノバン
交代出場:
FW11クリント・マティス英語版 58分
MF13コビ・ジョーンズ 65分
MF8アーニー・スチュワート 80分
監督
ブルース・アリーナ
マン・オブ・マッチ
クラウディオ・レイナ
副審
フィリップ・シャープ
アリ・アル・タリフィ
第4の審判員
マーク・シールド

スペイン vs 韓国

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この試合は、ガマル・ガンドゥール率いる審判団の下した2つのゴール取り消し判定が試合結果に大きな影響を及ぼした。

後半3分、スペインのフリーキックをMFルベン・バラハが合わせてゴールを決めたかのように見えたが、ガンドゥールはスペインにシャツを引っ張った行為があったとしてゴールを取り消し。さらに延長前半2分には右サイドを突破したFWホアキン・サンチェスのクロスからFWフェルナンド・モリエンテスがヘディングシュートを決めたかのように見えたが、今度はホアキンのクロスの前にボールがゴールラインを割っていたとして再びゴールを取り消す(リプレイ映像を見る限り、ボールはゴールラインを割っているように見えなかった)。この結果、試合は延長を含めた120分間でスコアレスに終わり、PK戦の末韓国が準決勝進出を決めた[12]。試合後、スペインFWイバン・エルゲラは激昂して「ここで起こったことは(審判団による)強盗だ」と叫びながら審判団に詰め寄り、仲間に引き留められる事態となった[13]

韓国が決勝トーナメントで2試合続けて「疑惑の判定」で勝ち上がったことについて、デイリー・テレグラフは記事の冒頭で「警告: 韓国を応援するな。彼らにはワールドカップの準決勝に出場する権利はない」「記録は嘘で、この大会は茶番劇に堕ちた」と激しい論調で断じた[13]。また、試合から19年後の2021年6月22日にはスペインのスポーツ紙「AS」の公式Instagramが「19年前の今日、スペインは物議を醸しているアル=ガンドゥールの判定により韓国のW杯で敗退した」との文章を添えてこの試合の写真3枚を投稿すると、多くの反響が寄せられた[14]。なお、この試合の2つのゴール取り消し判定もFIFA設立100周年記念DVD「FIFA FEVER」内でワールドカップ史上に残る誤審10選の2つに取り上げられている[11]

スペイン
韓国
GK1イケル・カシージャス
RB5カルレス・プジョル
CB6フェルナンド・イエロ
CB20ミゲル・アンヘル・ナダル
LB15エンリケ・ロメロ
RM22ホアキン・サンチェス
CM4イバン・エルゲラ 93分
CM17フアン・カルロス・バレロン 80分
CM8ルベン・バラハ
LM11ハビエル・デ・ペドロ 53分 70分
CF9フェルナンド・モリエンテス 111分
交代出場:
MF16ガイスカ・メンディエタ 70分
MF21ルイス・エンリケ 80分
MF19シャビ 93分
監督
ホセ・アントニオ・カマーチョ
GK1李雲在
CB4崔眞喆
CB20洪明甫
CB7金泰映 90分
RM22宋鐘國
CM5金南一 32分
CM6柳想鐵 52分 60分
LM10李榮杓
RF21朴智星
CF19安貞桓
LF9薛琦鉉
交代出場:
MF13李乙容 32分
FW14李天秀 60分
FW18黄善洪 90分
監督
フース・ヒディンク
マン・オブ・マッチ
李雲在
副審
アリ・トムサンゲ
マイケル・ラグーナス
第4の審判員
サード・マネ英語版

セネガル vs トルコ

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セネガル  0 – 1 (延長)  トルコ
レポートイルハン  94分
セネガル
トルコ
GK1トニー・シルヴァ
RB17フェルディナンド・コリー
CB13ラミネ・ディアッタ
CB4パペ・マリク・ディオプ英語版
LB2オマール・ダフ 12分
CM19パパ・ブバ・ディオプ
CM6アリウ・シセ 63分
CM15サリフ・ディアオ
RF7アンリ・カマラ
CF11エル=ハッジ・ディウフ
LF10カリロウ・ファディガ英語版
監督
ブルーノ・メツ
GK1リュシュテュ・レチベル
RB4ファティ・アキエル英語版
CB5アルパイ・オザラン
CB3ビュレント・コルクマズ
LB18エルギュン・ペンベ英語版
RM22ウミト・ダヴァラ
CM8トゥガイ・ケリモール
LM21エムレ・ベロゾール 22分 91分
AM10ユルドゥライ・バシュテュルク
AM11ハサン・シャシュ
CF9ハカン・シュキュル 67分
交代出場:
FW17イルハン・マンスズ 87分 67分
FW6アリフ・エルデム英語版 91分
監督
シェノル・ギュネシュ
マン・オブ・マッチ
ハサン・シャシュ
副審
ホルヘ・ラタリーノ
ミゲル・ジャコムッツィ
第4の審判員
ジル・ヴェイシエール英語版

準決勝

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ドイツ vs 韓国

編集
ドイツ
韓国
GK1オリバー・カーン
RB22トルステン・フリンクス
CB5カルステン・ラメロウ
CB2トーマス・リンケ
LB21クリストフ・メッツェルダー
RM19ベルント・シュナイダー 85分
CM8ディートマー・ハマン
CM13ミヒャエル・バラック 71分
LM17マルコ・ボーデ
CF11ミロスラフ・クローゼ 70分
CF7オリバー・ノイビル 85分 88分
交代出場:
FW20オリバー・ビアホフ 70分
MF16イェンス・イェレミース 85分
FW14ゲーラルド・アサモア 88分
監督
ルディ・フェラー
GK1李雲在
CB4崔眞喆 56分
CB20洪明甫 80分
CB7金泰映
RM22宋鐘國
CM6柳想鐵
CM21朴智星
LM10李榮杓
RF16車ドゥリ
CF18黄善洪 54分
LF14李天秀
交代出場:
FW19安貞桓 54分
DF15李敏成 90分 56分
FW9薛琦鉉 80分
監督
フース・ヒディンク
マン・オブ・マッチ
ミヒャエル・バラック
副審
フレデリック・アルノー
エヴゼン・アムラー
第4の審判員
ジル・ヴェイシエール英語版

ブラジル vs トルコ

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ブラジル
トルコ
GK1マルコス
CB3ルシオ
CB4ロッキ・ジュニオール
CB5エジミウソン
RM2カフー
CM15クレベルソン 85分
CM8ジウベルト・シウバ 41分
LM6ロベルト・カルロス
RF20エジウソン 75分
CF9ロナウド 68分
LF10リバウド
交代出場:
FW21ルイゾン 68分
MF17デニウソン 75分
DF13ベレッチ 85分
監督
ルイス・フェリペ・スコラーリ
GK1リュシュテュ・レチベル
RB4ファティ・アキエル英語版
CB5アルパイ・オザラン
CB3ビュレント・コルクマズ
LB18エルギュン・ペンベ英語版
DM8トゥガイ・ケリモール 59分
RM22ウミト・ダヴァラ 74分
CM10ユルドゥライ・バシュテュルク 88分
LM21エムレ・ベロゾール 62分
CF11ハサン・シャシュ 90分
CF9ハカン・シュキュル
交代出場:
FW17イルハン・マンスズ 62分
MF13ムジー・イゼット 74分
FW6アリフ・エルデム英語版 88分
監督
シェノル・ギュネシュ
マン・オブ・マッチ
ロナウド
副審
マチェイ・ヴィエジュボフスキ
イゴール・シュラムカ
第4の審判員
ブライアン・ホール英語版

3位決定戦

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韓国  2 – 3  トルコ
レポート
韓国
トルコ
GK1李雲在
CB6柳想鐵
CB20洪明甫 46分
CB15李敏成
RM22宋鐘國
CM21朴智星
CM10李榮杓
LM13李乙容 23分 65分
RF9薛琦鉉 79分
CF19安貞桓
LF14李天秀
交代出場:
DF7金泰映 46分
FW16車ドゥリ 65分
MF8崔兌旭 79分
監督
フース・ヒディンク
GK1リュシュテュ・レチベル 83分
RB4ファティ・アキエル英語版
CB5アルパイ・オザラン
CB3ビュレント・コルクマズ
LB18エルギュン・ペンベ英語版
RM22ウミト・ダヴァラ 76分
CM8トゥガイ・ケリモール 50分
CM10ユルドゥライ・バシュテュルク 86分
LM21エムレ・ベロゾール 41分
CF9ハカン・シュキュル
CF17イルハン・マンスズ
交代出場:
MF20ハカン・ウンサル英語版 41分
MF7オカン・ブルク 76分
MF14タイフール・ハヴチュ英語版 86分
監督
シェノル・ギュネシュ
マン・オブ・マッチ
ハカン・シュキュル
副審
アリ・アル・タリフィ
ヘクター・ベルガラ
第4の審判員
フェリペ・ラモス英語版

決勝

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ドイツ  0 – 2  ブラジル
レポートロナウド  67分79分
ドイツ
ブラジル
GK1オリバー・カーン
CB2トーマス・リンケ
CB5カルステン・ラメロウ
CB21クリストフ・メッツェルダー
RM22トルステン・フリンクス
CM8ディートマー・ハマン
CM16イェンス・イェレミース 77分
LM17マルコ・ボーデ 84分
AM19ベルント・シュナイダー
CF11ミロスラフ・クローゼ 9分 74分
CF7オリバー・ノイビル
交代出場:
FW20オリバー・ビアホフ 74分
FW14ゲーラルド・アサモア 77分
MF6クリスティアン・ツィーゲ 84分
監督:
ルディ・フェラー
GK1マルコス
CB3ルシオ
CB5エジミウソン
CB4ロッキ・ジュニオール 6分
RM2カフー
CM8ジウベルト・シウバ
CM15クレベルソン
LM6ロベルト・カルロス
AM11ロナウジーニョ 85分
CF10リバウド
CF9ロナウド 90分
交代出場:
MF19ジュニーニョ・パウリスタ 85分
MF17デニウソン 90分
監督:
ルイス・フェリペ・スコラーリ
副審
レイフ・リンベリ
フィリップ・シャープ英語版
第4の審判
ヒュー・ダラス

試合方式

  • 試合時間90分(前後半45分)
  • 延長戦の場合は30分(前後半15分)
  • 同点の場合はPK戦
  • 選手交代は3人まで

出典

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  1. ^ World Cup: 25 stunning moments … No21: Italy lose to South Korea in 2002”. The Guardian (2014年6月1日). 2017年11月12日閲覧。
  2. ^ a b “Fifa investigates Moreno”. BBC News. (2002年9月13日). http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/2255952.stm 
  3. ^ Tonelli, Matteo (2002年6月18日). “Corea del Sud-Italia 2–1” (Italian). la Repubblica. http://www.repubblica.it/diretta/online/coreita/ 2015年1月29日閲覧。 
  4. ^ Ingle, Sean (2002年6月18日). “South Korea 2 - 1 Italy”. The Guardian. 2017年11月12日閲覧。
  5. ^ a b Soccer Referees on Run, and They Can't Hide”. The New York Times (2002年6月21日). 2023年1月9日閲覧。
  6. ^ Mura, Gianni (2002年6月19日). “Gli errori degli azzurri” (Italian). la Repubblica. http://www.repubblica.it/online/mondiali2002/murauno/murauno/murauno.html?ref=search 2018年1月20日閲覧。 
  7. ^ a b 弓削高志 (2022年6月18日). “〈W杯史に残る誤審劇〉韓国vsイタリアから20年…「レフェリー人生最高の試合の1つ」忌み嫌われた審判モレノが認めない“2つのミス””. Number Web. 2023年1月9日閲覧。
  8. ^ Angry Italy blame 'conspiracy'”. Soccernet (2002年6月19日). 2006年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年8月6日閲覧。
  9. ^ Ghosh, Bobby (2002年6月24日). “Lay Off the Refs”. Time. オリジナルの2010年2月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100210141434/http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,265485,00.html 2010年4月28日閲覧。 
  10. ^ “Blatter condemns officials”. BBC News. (2002年6月20日). http://news.bbc.co.uk/sport3/worldcup2002/hi/other_news/newsid_2055000/2055828.stm 2023年1月9日閲覧。 
  11. ^ a b 田邊雅之 (2004年12月2日). “日韓W杯の誤審疑惑をFIFAが公式認定?”. Number Web. 2023年1月9日閲覧。
  12. ^ “Korean dream lives on”. BBCスポーツ. (2002年6月22日). http://news.bbc.co.uk/sport3/worldcup2002/hi/matches_wallchart/spain_v_south_korea/default.stm 2017年11月13日閲覧。 
  13. ^ a b Hayward, Paul (2006年6月23日). “Korean miracle spoilt by refereeing farce”. デイリー・テレグラフ (London). https://www.telegraph.co.uk/sport/football/international/3029872/Korean-miracle-spoilt-by-refereeing-farce.html 2017年11月13日閲覧。 
  14. ^ 「史上最大の強盗」 日韓W杯の“誤審騒動”、スペイン紙回顧に反響「怒りと痛みを引き出した」”. Football ZONE (2021年6月25日). 2023年1月9日閲覧。