2003年のNBAドラフト

2003年のNBAドラフトは、2003年度のNBAドラフト。2003年6月26日アメリカ合衆国ニューヨークに所在するマディソン・スクエア・ガーデンで開催された。NBAは41人の大学生と高校生、そして過去最高の31人の外国人選手が、2003年のNBAドラフトの早期エントリー候補者として申請したことを発表した[1]。5月22日のドラフト抽選会で、1位指名権獲得確率が22.50%だったクリーブランド・キャバリアーズが当選し、その後、キャバリアーズのゴードン・ガンド会長は、レブロン・ジェームズを指名すると発言した[2]。2位指名権はデトロイト・ピストンズ、3位指名権はデンバー・ナゲッツだった。このドラフトは、TNTからライセンスを取得した後、ESPNで放送される最初のドラフトとなった。

2003年のNBAドラフト
概要
開催日2003年6月26日
時間7:30 pm (EDT)
会場マディソン・スクエア・ガーデン
ニューヨーク州マンハッタン
中継(米)ESPN
1位指名選手レブロン・ジェームズ
(クリーブランド・キャバリアーズ)
NBAドラフト

この年は近年にない当たり年で、多くのスター候補を輩出した。この年ドラフトで指名された15人の選手が合計26個のチャンピオンシップを獲得しており、上位指名6人のうち5人(クリス・ケイマンカーメロ・アンソニークリス・ボッシュドウェイン・ウェイドレブロン・ジェームズ)がNBAオールスターゲーム選出と「Redeem Team英語版」でオリンピック金メダルを獲得している。また、全体では9人がオールスターゲームに出場し、ドウェイン・ウェイドは、2006年マイアミ・ヒートNBAチャンピオンに輝き、ファイナルMVPを受賞。2010年にはNBAオールスターゲームのMVPを獲得するなど、多くの選手がそれぞれのチームでスタメンに名を連ねている。レブロン・ジェームズドウェイン・ウェイドクリス・ボッシュの3人はその後ヒートでBIG3を結成し、2012年2013年に2連覇を達成し、レブロンは2年連続でファイナルMVPを受賞。2018年にレブロンがロサンゼルス・レイカーズに移籍すると、2021年カーメロ・アンソニーがレイカーズと契約を交わし、実に18年越しの共闘が実現した。

ドラフト指名

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レブロン・ジェームズは、スポーツの歴史の中で最も期待されたドラフト全体1位指名選手の一人である。高卒のドラフト1位指名は、2001年のクワミ・ブラウン以来2人目であり、2004年にもドワイト・ハワードが高卒で1位指名された[3]
カーメロ・アンソニーは全体3位でデンバー・ナゲッツに指名された。
トロント・ラプターズから全体4位で指名されたクリス・ボッシュは、2003年のドラフト組のメンバーとして初めてネイスミス記念バスケットボール殿堂に選出されることになった。
ドウェイン・ウェイドは全体5位でマイアミ・ヒートに指名された。
クリス・ケイマンは全体6位でロサンゼルス・クリッパーズに指名された。
デイビッド・ウェストは全体18位でニューオーリンズ・ホーネッツに指名された。
ジョシュ・ハワードは全体29位でダラス・マーベリックスに指名された。
モー・ウィリアムズは全体47位でユタ・ジャズに指名された。
カイル・コーバー は全体51位でニュージャージー・ネッツに指名された (その後、フィラデルフィア・76ersに交渉権がトレード)。
PGポイントガードSGシューティングガードSFスモールフォワードPFパワーフォワードCセンター
*バスケットボール殿堂入り
^現役プレーヤー
SNBAオールスター
AオールNBAチーム
RNBAオールルーキーチーム
DNBAオールディフェンシブチーム
CNBAチャンピオン
FファイナルMVP
#NBAでのプレー経験なし
MシーズンMVP

1巡目

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指名順選手名経歴国籍指名チーム出身校など
太字はこの年のルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された選手
1レブロン・ジェームズ (SF) ^  S  A  R  D  C  F  M  クリーブランド・キャバリアーズセント・ビンセント=セント・メアリー高校 (オハイオ州 アクロン)
2ダーコ・ミリチッチ (F/C) デトロイト・ピストンズ (元はグリズリーズの指名権)ヘモファーム・ヴルシャツ (セルビア・モンテネグロABAリーグ)
3カーメロ・アンソニー (SF) S  A  R  デンバー・ナゲッツシラキュース大学
4クリス・ボッシュ (F/C) *  S  A  R  C  トロント・ラプターズジョージア工科大学
5ドウェイン・ウェイド (SG) *  S  A  R  D  C  F  マイアミ・ヒートマーケット大学
6クリス・ケイマン (C) S 
ロサンゼルス・クリッパーズ中央ミシガン大学
7カーク・ハインリック (PG) R  D  シカゴ・ブルズカンザス大学
8T・J・フォード (PG) R  ミルウォーキー・バックス (元はホークスの指名権)テキサス大学
9マイケル・スウィートニー (PF) ニューヨーク・ニックスジョージタウン大学
10ジャーヴィス・ヘイズ (F/G) ワシントン・ウィザーズジョージア大学
11ミカエル・ピートラス (G/F) ゴールデンステート・ウォリアーズÉBポー・オルテッズ (フランスリーグ)
12ニック・コリソン (PF) シアトル・スーパーソニックスカンザス大学
13マーカス・バンクス (PG) メンフィス・グリズリーズ (セルティックスにトレード)
(元はロケッツの指名権)
ネバダ大学ラスベガス校
14ルーク・リドナー (PG) シアトル・スーパーソニックス (元はバックスの指名権)オレゴン大学
15リース・ゲインズ (F/G) オーランド・マジックルイビル大学
16トロイ・ベル (PG) ボストン・セルティックス (グリズリーズにトレード)ボストン・カレッジ
17ザーコ・チャバーカパ (SF) フェニックス・サンズブドゥチノスト・ポドゴリツァ (セルビア・モンテネグロABAリーグ)
18デビッド・ウェスト (PF) S  C  ニューオーリンズ・ホーネッツゼイビア大学
19アレクサンダル・パブロビッチ (F/G) ユタ・ジャズブドゥチノスト・ポドゴリツァ (セルビア・モンテネグロABAリーグ)
20ダンテイ・ジョーンズ (SG) ボストン・セルティックス (グリズリーズにトレード)
元はシクサーズの指名権)
デューク大学
21ボリス・ディアウ (SF) アトランタ・ホークス (元はインディアナ・ペイサーズの指名権)ÉBポー・オルテッズ (フランスリーグ)
22ゾラン・プラニニッチ (G/F) ニュージャージー・ネッツCibona Zagreb (クロアチア and ABAリーグ)
23トラビス・アウトロー (SF) ポートランド・トレイルブレイザーズスタークスビル高校 (ミシシッピ州スタークスビル)
24ブライアン・クック (PF) ロサンゼルス・レイカーズイリノイ大学
25カルロス・デルフィノ (SG) デトロイト・ピストンズFortitudo Bologna (イタリア)
26ドゥディ・イービー (SF)
( )
ミネソタ・ティンバーウルブズウェストベリー・クリスチャン高校 (テキサス州ヒューストン)
27ケンドリック・パーキンス (C) メンフィス・グリズリーズ (キングスからマジックを経由して)
セルティックスにトレード)
クリフトン=オゼン高校 (テキサス州 バーモント)
28リアンドロ・バルボサ (PG) サンアントニオ・スパーズ (サンズにトレード)Bauru Tilibra (ブラジル)
29ジョシュ・ハワード (F/G) S  ダラス・マーベリックスウェイクフォレスト大学

2巡目

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指名順選手名経歴国籍指名チーム出身校など
30マチェイ・ランペ (PF) ニューヨーク・ニックス (元はナゲッツの指名権)マドリード・コンプルテンセ大学 (スペイン)
31ジェイソン・カポノ (F/G) クリーブランド・キャバリアーズUCLA
32ルーク・ウォルトン (SF) ロサンゼルス・レイカーズ (元はラプターズの指名権)アリゾナ大学
33ジェローム・ビーズリー (PF) マイアミ・ヒートノースダコタ大学
34ソフォクリース・スコーツァニーティス (C) #  ロサンゼルス・クリッパーズイラクリスBC (ギリシャ)
35シモン・シェブチック (PF) #  ミルウォーキー・バックス (元はグリズリーズの指名権)ブラウンシュヴァイク (ドイツ)
36マリオ・オースチン (PF) #  シカゴ・ブルズミシシッピ州立大学
37トラヴィス・ハンセン (SG) アトランタ・ホークスブリガムヤング大学
38スティーブ・ブレイク (PG) ワシントン・ウィザーズメリーランド大学
39スラヴコ・ヴラネス (C) ニューヨーク・ニックスKKブドゥチノスト・ポドゴリツァ (セルビア・モンテネグロABAリーグ)
40デリック・ジマーマン (PG) ゴールデンステート・ウォリアーズミシシッピ州立大学
41ウィリー・グリーン (SG) シアトル・スーパーソニックス (シクサーズにトレード)デトロイト大学
42ザザ・パチュリア (PF) オーランド・マジックフェネルバフチェ・ユルケル (トルコリーグ)
43キース・ボーガンス (SG) ミルウォーキー・バックス (マジックにトレード)ケンタッキー大学
44マリック・バディアヌ (PF) #  ヒューストン・ロケッツLangen (ドイツ)
45マット・ボナー (F) シカゴ・ブルズ (トロント・ラプターズにトレード)
元はサンズの指名権)
フロリダ大学
46サニ・ベシロビッチ (SG) #  デンバー・ナゲッツ (元はセルティックスの指名権)ヴィルトゥス・ボローニャ (イタリア)
47モーリス・ウィリアムズ (PG) S  ユタ・ジャズアラバマ大学
48ジェームス・ラング (C) ニューオーリンズ・ホーネッツセントラルパーク・クリスチャン高校 (アラバマ州バーミングハム)
49ジェームズ・ジョーンズ (SF) インディアナ・ペイサーズマイアミ大学
50パッセリス・モルレンデ (PG) #  フィラデルフィア・セブンティシクサーズ (ソニックスにトレード)ディジョン (フランスリーグ)
51カイル・コーバー (SF) S  ニュージャージー・ネッツ (シクサーズにトレード)クレイトン大学
52レモン・ファン・デ・アーレ (C) #  トロント・ラプターズ (元はロサンゼルス・レイカーズの指名権)FCバルセロナ(スペイン)
53トミー・スミス (PF) #  シカゴ・ブルズ (ピストンズからヒートを経由して)アリゾナ州立大学
54ネドサド・シナノビッチ (C) #  ポートランド・トレイルブレイザーズボスニア・ヘルツェゴヴィナ
55リック・リカート (PF) #  ミネソタ・ティンバーウルブズミネソタ大学
56ブランドン・ハンター (PF) ボストン・セルティックス (元はサクラメント・キングスの指名権)オハイオ大学
57薛玉洋 (C) #  ダラス・マーベリックス (ナゲッツにトレード)香港フライングドラゴンズ (中国)
58アンドレアス・グリニアダキス (C) デトロイト・ピストンズ (元はスパーズの指名権)ギリシャ

ドラフト外入団の主な選手

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脚注

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  1. ^ NBA Announces Early-Entry Candidates”. NBA. 2007年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年4月20日閲覧。
  2. ^ Cavaliers Win NBA Draft Lottery 2003”. NBA. 2007年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年4月20日閲覧。
  3. ^ Most anticipated No. 1 draft picks”. CBC Sports (2005年7月27日). 2008年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月16日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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